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大迫勇也、原口元気、古橋亨梧はなぜ落選? W杯メンバー発表会見で記者たちが共有した“静かな驚き”「んん…? 年齢順だとすれば…」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJIJI PRESS
posted2022/11/02 11:05
11月1日、カタールW杯に臨む日本代表メンバーを発表し、記者の質問に答える森保一監督。26人のなかに大迫勇也や原口元気の名前はなかった
9月のエクアドル戦でも、後半からの出場で好印象を残した。前線で激しくバトルし、起点になろうとした。リーグ戦では先発出場を続け、10月の4試合で3得点を記録している。大迫ではなく上田を選ぶ理由はあったのだ。
大迫と上田を、同時に選ぶことはできなかったか。
追いかける展開でのパワープレーなどを想定すると、彼らを前線に並べる2トップも用意しておきたい。ただ、FWの枠を「3」とした今回の選考では、ポストプレーもできるストライカータイプをひとりにしている。
古橋亨梧はセルティックの“強者のサッカー”が仇に?
カウンターで威力を発揮するタイプとして、森保監督は浅野拓磨と前田大然を選んだ。弾き出されたのは、古橋亨梧である。
古橋が所属するセルティックは、リーグ戦で首位を走っている。彼自身はチームトップにして得点ランク2位の8ゴールを記録している。30日のリーグ戦でもゴールを決めた。状態はいい。
ここでポイントになるのは、所属チームのリーグ内での立ち位置だ。スコットランドリーグにおけるセルティックは、強者のサッカーをする。ストライカーもディフェンスはするが、ゴールを狙うことに集中できる時間が長い。
しかし、カタールW杯の日本代表は違う。格下との対戦がない戦いでは、古橋は選びにくい。
前田大然もセルティック所属である。彼も強者のサッカーを日常としているが、9月のアメリカ戦で見せた前線からの守備は好印象だ。相手のビルドアップに工夫が足りなかったとはいえ、前田の追い込みは有効だった。持ち味とする運動量とスピードを、前線からの守備とカウンターで生かしてもらう、という森保監督の狙いが浮かび上がってくる。
浅野ではなく古橋を選ぶべきでは、との意見はありそうだ。
森保監督は「トレーナーとドクターをヨーロッパに派遣している。安心した情報をもらってメンバー発表につなげることができた」と説明するが、浅野は9月から戦列を離れている。W杯にはもちろん間に合うのだろうが、ゲーム体力やゲーム感覚をどこまで取り戻せるのか。コンディションを優先するなら古橋というチョイスはあるはずだが、高速アタッカーの前田と浅野を招集することで、カウンターに変化を生み出すのだろう。