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「アンタは天才だから」巨人“育成の星”松原聖弥は、後半戦のキーマンになれるか? 原監督・亀井コーチも認める天性の打撃センス「オレはちょっと焦らしてるの…」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2022/07/29 17:00
亀井コーチから”天才”と称され背番号9を受け継いだ松原聖弥。巨人の後半戦上昇のキーマンとなれるか
だが……。結果的にはそこに進歩が見られないまま、見事に松原は“2年目のジンクス”にハマってしまった。
後半戦の巨人打線キーマンになれるか
研究され、その上をいく進化を打席で見せることができなかった。同じように積極的に初球からバットを出していくが、もうなかなか甘い球はこない。むしろボール球から入ってくる相手に、松原は必死にバットを振り回しているように見えた。
「アンタは天才だ」
亀井コーチは言っていた。
肩も強く、足も速い。パンチ力もあって、天性の打撃センスが松原にはある。
だからこそ原監督も期待を込めて「背番号9」を与え、亀井コーチの後継者に指名したのだった。
そして、そこまで期待した松原の誤算こそが、「若手育成」という今季の巨人のテーマが看板倒れとなった一番の理由だった。
オールスターブレークを挟んだリスタート。新型コロナウイルスのクラスターが発生したチームの中で、松原もまた罹患し、活動をストップせねばならなかった1人となった。
再起の時が来れば、チームはまずAクラスの確保を目標に後半戦をスタートすることになり、その中で松原は、まずは一軍ベンチ入りを目指す競争ラインに立つことから始めなければならない。
しかし、そんな逆境の中でもしこの“天才”がもう1度、去年のような輝きを取り戻すことができたら――。それは後半戦の巨人打線にとって、光となるはずである。
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