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「アンタは天才だから」巨人“育成の星”松原聖弥は、後半戦のキーマンになれるか? 原監督・亀井コーチも認める天性の打撃センス「オレはちょっと焦らしてるの…」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2022/07/29 17:00

「アンタは天才だから」巨人“育成の星”松原聖弥は、後半戦のキーマンになれるか? 原監督・亀井コーチも認める天性の打撃センス「オレはちょっと焦らしてるの…」<Number Web> photograph by KYODO

亀井コーチから”天才”と称され背番号9を受け継いだ松原聖弥。巨人の後半戦上昇のキーマンとなれるか

 そうした現実の中で、あまり話題にもならないが、今季前半の巨人を振り返って気になることが1つある。それは松原聖弥外野手のことだ。原監督が若手育成を掲げた中で、最大の誤算はまさにこの松原だったのではないかと思うからだ。

「アンタは天才だから。もうちょっとだけ頭使っていけよ!」

 松原といえば、忘れもしない言葉がある。

 昨年10月23日のファン感謝デーで引退式を行なった亀井善行・現外野守備走塁コーチのあの言葉だ。

「聖弥、アンタは天才だから。もうちょっとだけ頭使っていけよ!」

 引退式のその日まで自分がつけていた背番号「9」を受け継ぐ者への、亀井コーチならではの叱咤激励だった。

 実はその期待は原監督も同じだった。

「松原か梶谷(隆幸外野手)がセンターに入ってライトに(グレゴリー・)ポランコ、レフトにウォーカー。ベンチに丸とナカジ(中島宏之内野手)が(代打要員として)控えるようなチームを作れたら……そうなったら強いだろ! まあ丸だって黙っちゃいないと思うからね。それなら丸がセンターでライトに松原か梶谷でもいい。いずれにしろ松原もそうだしナオキ(吉川尚輝内野手)とか若い選手がベテラン、中堅を突き上げるエネルギーがこのチームには必要なんだ。そういうエネルギーが出て来ればチームは必ず活性化する」

 これは今年の沖縄キャンプで聞いた話である。

育成の星として期待のシーズンだったが…

 梶谷が左膝の内側半月板の手術で、今季出場が微妙になったことも、大きな誤算の1つではあった。ただ同時にその時点で、丸をも脅かす存在として期待を寄せていた松原が、前半戦は全く戦力にならなかった。

 昨年はシーズン序盤から外野のレギュラーに抜擢されると、球団2位タイ記録の27試合連続安打を記録し、育成出身選手として球団初の規定打席に到達。また育成出身選手としてはプロ野球最多となる12ホーマーを放って打率2割7分4厘という数字を残した。まさに育成の星として22年はレギュラーの座を確立するシーズンと期待された。

 ただ、実はその中で原監督が1つだけ不安に思っていたことがある。オープン戦が始まった直後に、こんなことを漏らしていたのだ。

【次ページ】 「オレはちょっと焦らしているの、アイツを」

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