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落合博満の“率直だけど芯をとらえる”名言「高く買ってくれるとこだったら、どこでも」「岩瀬が打たれて負けたなら、仕方ねえじゃねえか」
posted2022/08/01 11:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Hideki Sugiyama
<名言1>
自分を高く買ってくれるとこだったら、どこでもいい。
(落合博満/Number139号 1986年1月7日発売)
◇解説◇
1985年に2度目の三冠王を獲得した、ロッテ時代の落合。その偉業を祝して“三冠王対談”と題して阪神のバースとトークしたときの一節だ。
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「セ・リーグでプレーしてみないかといわれたら、どのチームに入る?」
バースにこのように聞かれて、落合はこう答えたのだ。当時のNumber編集長も「落合博満さんの言葉も赤裸々です」と評したほどの“率直発言”だが、その後中日への大型トレードを経て、93年オフにFA宣言で巨人の一員となった。日本人初の1億円プレーヤーを含めた球歴を踏まえると……プロ野球選手としての哲学が揺るぎないものだったと言える。
なおバースは「やっぱりセ・リーグで落合がプレーするのを見てみたいよ。だけど相手チームじゃない方がいいね。タイガースで一緒にやらないか(笑)」と冗談めかしていた。落合は87年にセ・リーグに来たものの、バースは88年途中に阪神を退団。2人を同じリーグの舞台で見られた期間はわずか1年強だったのが惜しまれる。
年齢とともに肉体的な体力は衰えてくるけど
<名言2>
野球がうまくなるヒントはなんぼでもその辺に落ちているんだよ。
(落合博満/Number415号 1997年3月27日発売)
◇解説◇
ロッテ、中日、巨人と渡り歩いた落合は、1997年に日本ハムへと新天地を求めた。この時点で43歳である。前シーズン終盤戦に死球を浴びて左手小指を骨折し、年齢面を懸念する声が出ていた。
それでも落合は「若い選手が多くて発展途上のチームだね。やればやるほど野球を覚えていくという、ね。だから、一緒に野球をやっていて面白いよ」と語った。そして当時20代だった片岡篤史や金子誠らが主力だったファイターズでの環境で、バットマンとして達観したかのようなコメントを残した。
「年齢とともに肉体的な体力は衰えてくるけど、その苦しみに耐える精神的な体力は逆についてくるんだ。野球で悩むことを楽しめるようになるんだ」