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JリーグPRESSBACK NUMBER
「メッシやネイマールがそうですが…」PSG戦で得た学びとは? J1王者・川崎の生え抜き選手たちが感じた“世界基準”「1vs1よりむしろ…」
posted2022/07/23 11:06
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph by
Takuya Sugiyama
7月20日に開催された、パリ・サンジェルマン(PSG)のジャパンツアー第1戦。6万4922人の大観衆が、国立競技場を埋め尽くした。
この数字は6月6日の日本×ブラジル戦(6万3638人)を上回る、改築後の国立競技場の最多観客数だ。安易に比較すべきではないかもしれないが、前日の7月19日にカシマスタジアムで行われたE-1選手権の日本×香港戦が4980人だったことを考えると、驚異的な動員数と言っていい。スタジアム周辺はちょっとしたお祭りのような雰囲気もあり、地上波でのテレビ生中継もあるなど注目度の高い一戦だった。
試合はPSGが川崎フロンターレに2対1で勝利した。最後まで勝ちにいく姿勢を見せたJリーグ王者だったが、山村和也のセットプレーによる終盤の追撃弾のみで惜敗。ただ親善試合とはいえ、試合を通じて得られた「何か」も少なからずあったはずである。それを川崎の選手たちに聞いてみたいと思った。
PSG相手にフル出場した車屋紳太郎を直撃
今回は12人まで交代できるレギュレーションで、前半と後半で両チームともにほぼ全ての選手が入れ替わっている。そんな中、フルタイムでプレーしたフィールドプレイヤーがいた。
センターバックの車屋紳太郎である。
最初から最後までプレーし続けた彼にしか感じられないものも、きっとあったのではないだろうか。試合後のミックスゾーンで呼び止めて感想を求めると、開口一番、車屋は苦く笑った。
「疲れましたよ……。(90分出るという)そんな予感はしてましたが(笑)」
疲労困憊になるのも、当然だろう。
親善試合とはいえ、相手は世界屈指のスーパースター軍団だ。この日の前線には、リオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・ムバッペという、いわゆる“MNMトリオ”が並んだ。まるでゲームの世界のような攻撃陣だが、車屋は彼らと現実のピッチで対峙し続けたのである。
チーム事情に目をやると、E-1選手権で日本代表に招集されているため、谷口彰悟、山根視来、脇坂泰斗の主力3人が不在だった。最終ラインに関していえば、CBには長期離脱していたジェジエウが約8カ月ぶりとなる復帰を果たし、右SBには左SBを主戦場としてきた大卒新人の佐々木旭が起用されている。そして直近のリーグ戦で戦列復帰したばかりの登里享平が左SBに入った。この4人の組み合わせによるDFラインは初めてで、対戦相手以前にその難しさもあったはずである。