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JKとエディーは似ている!? 畠山健介が視た“革命期の日本ラグビー”と南ア撃破後の空席「あれから、ラグビーが面白いと思ったことはない」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAkio Hayakawa/AFLO
posted2022/06/22 11:01
史上最大のアップセットと呼ばれた南アフリカ戦など、日本ラグビーの進化を世界に見せつけた2015年W杯。畠山は堀江翔太(右)らとセットピースで抜群の存在感を放った
南アフリカ戦の最後の最後、ペナルティを得たところで主将のリーチがスクラムを選択したのは、ジョージア戦で得た自信があったからに他ならない。
その運命の南アフリカ戦、あの試合に臨む心境を畠山はこう振り返る。
「清水の舞台から飛び降りる。本当にそんな心持ちでした」
手にした劇的勝利。結果的に3勝1敗でワールドカップを終え、日本代表はラグビーブームを列島に巻き起こした。
出発時には見送りもまばらだったが、帰国時にはファン、そして報道のカメラがあふれた。
ところが——。
サントリーに戻って迎えた11月13日のトップリーグの開幕戦、パナソニック戦でスタンドを見た畠山は呆然とする。
観客は1万792人。チケットは完売と伝えられていたが、どういうわけか空席が目立っていた。
畠山はいう。
「あれから、ラグビーが面白いと思ったことはありませんでした」
(続く)
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