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「偏差値60台後半」の公立高校がズラリ…進学校のラグビー部員がいま“早慶明より帝京大”を選ぶワケ「帝京らしいというステレオタイプはない」

posted2025/02/12 11:03

 
「偏差値60台後半」の公立高校がズラリ…進学校のラグビー部員がいま“早慶明より帝京大”を選ぶワケ「帝京らしいというステレオタイプはない」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

1月の大学選手権で4年連続13度目の優勝を達成した帝京大ラグビー部。圧倒的な強さを誇る名門にいま、ある変化が起こっているという

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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Kiichi Matsumoto

 1月のラグビー大学選手権で4大会連続13度目の優勝を決めた帝京大。2009年からの9連覇を含め、まさに大学ラグビー界の王者である。だが近年、その常勝軍団に「ある変化」が起こっているという。《NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む》

 1月に行われたラグビー大学選手権は、帝京大の4連覇で幕を閉じた。

 昨季までの3連覇はすべて、対抗戦から大学選手権決勝まで圧勝を重ねての全勝フィニッシュ。しかし今季は、対抗戦で早大に17-48という大敗を喫するなど、起伏の多い道のりを経ての優勝だった。

「あそこで負けて良かったと思っています」

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 帝京大の相馬朋和監督は、対抗戦での早大戦の敗戦をそう振り返った。

「正直言うと、私自身は『早く負けたい』と思っていたくらいなんです。勝ち続けていると、どうしても『何連勝している』と(数字を追う意識に)なってしまう。だから、むしろ負けて清々しいな、やっと前へ進めるな、という気持ちでした」

帝京で目立った「非エリート」の活躍

 対抗戦の早大戦に敗れてから2週間後、11月17日の明大戦に帝京大は48-28で勝利。そこから帝京大は4連覇へのグローリー・ロードを突き進む。

 戦力面の変化もあった。1年から公式戦を経験し、昨季はWTBで3連覇に貢献した4年生のリーダー、小村真也が負傷から復帰。最後尾のFBからチームを支えたのは大きかった。

 今季の帝京大の4年生には、下級生時代から活躍した逸材が多かった。主将のFL青木恵斗、副将のLO本橋拓馬、SH李錦寿の3人は1年生のときからレギュラーとして活躍し、4年間の大学選手権すべての決勝にそろって先発。小村は1年時、3試合に途中出場し、2年のシーズンはWTBで全試合に先発して2連覇に貢献していた。

 だが、そういうエリートだけではない。明大戦から小村とともに先発陣に加わり粘り強いタックルとサポートで活躍したFL森元一気(4年、尾道)は3年の昨季まで秋冬の公式戦出場ゼロ。早大との大学選手権決勝でディフェンスにブレイクダウンにハードワークで勝利に貢献したNo.8倉橋歓太(4年、東海大大阪仰星)は、その前戦、準決勝の明大戦が大学での初先発だった。

【次ページ】 “常勝”帝京大に起こっている「ある変化」

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