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「奥川、高橋は本当に上手い。でもウチだけじゃなく…」ヤクルト高津監督53歳が本音でホメた“他球団、2人の高卒3年目ピッチャー”とは?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byNanae Suzuki
posted2022/03/17 17:04
Numberでは1992年以来、30年ぶりとなるヤクルト特集! 単独インタビューに応じた高津臣吾監督(53歳)
どうやら最大の秘匿事項のようだ。
「ふたりともいつかは中6日で登板するようになるだろうけど、それがいつになるかは正直なところ、分からないです。現在進行形の育成だから」
ふたりの育成は、トレーニング、球数、登板などなど、あらゆる項目がモニターされ、球団として「正解」を探している最中だという。
いずれもスワローズの宝となるのは、間違いない。そしてこの実績が、将来入団してくる逸材の育成プランに反映されていく。
まさに今年の優勝を求めながら、育成を図っていくのがヤクルトの優勝への解法だ。
奥川、高橋が今季、どのような投球、結果を残すかは重要な意味を持つ。
高津監督がホメた“他球団・2人の高卒3年目ピッチャー”
高津監督も、高校を出たばかりの選手たちのレベルの高さには驚いているという。
「もう、昔とはぜんぜん違う。奥川、高橋にしても『投内連係』のプレーとか、本当に上手い。上手すぎます。ふたりはそれぞれ星稜、龍谷大平安の出身だけれど、甲子園に出てくる学校で教え込んでいるレベル、本当に高いと思います。これはウチだけの現象じゃなくて、オリックスの宮城大弥投手、千葉ロッテの佐々木朗希投手と3年目を迎える投手たちって、すごいじゃないですか。特に日本シリーズで対戦した宮城投手、ウチの打者がみんな差し込まれてました。投球の質が高いってことです。今季も他の球団からこういう選手が出てくる可能性あるわけで、気が抜けないですよ」
3月25日、ヤクルトは阪神と京セラドーム大阪で顔を合わせる。
「また、緊張感たっぷりの眠りが浅い日々が戻ってきます。タイガースから対戦が始まりますが、同学年の矢野(燿大)監督のラストシーズン、期するところがあるでしょう。そのあとのジャイアンツ。いつでもどこでも原(辰徳)監督の采配は油断できません。ベイスターズはもともと打撃がいいし、ドラゴンズは立浪(和義)新監督のもとで新しいことをやってくるでしょう。それにカープも若手が出てきてますよね。もう、他の球団が良く見えちゃって仕方がない。でも……ウチもやりますよ」
昨季の日本一は、ひとつの歴史。
ヤクルトは今季、どんな歴史を紡いでくれるだろうか。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。
Number最新号「今年も絶対、スワローズ」では、高津臣吾監督インタビューの他、村上宗隆×奥川恭伸のWインタビュー、山田哲人など主力選手の肉声や野村克也監督、関根潤三監督時代のノンフィクション記事が満載です。ぜひご覧ください。