Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

[投手コーチの理想と現実]伊藤智仁が明かす「勝利の方程式の作り方」

posted2022/03/18 07:01

 
[投手コーチの理想と現実]伊藤智仁が明かす「勝利の方程式の作り方」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/Nanae Suzuki/Hideki Sugiyama

text by

長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

PROFILE

photograph by

Naoya Sanuki/Nanae Suzuki/Hideki Sugiyama

昨季ヤクルトを優勝に導いた原動力はリリーフ陣だった。7回今野、8回清水、9回マクガフ――勝利をもぎとる盤石の布陣をいかにして築いたのか。選手の特性を見極め、戦力を的確に整備した投手コーチが、その舞台裏を語る。

「たまたまうまくいっただけですよ……」

 昨年日本一に輝いた伊藤智仁投手コーチは言った。リーグワースト防御率だった投手陣を再建すべく4年ぶりに古巣に復帰した'21年。前年4.61だったチーム防御率は3.48に改善した。

 先発ローテーションの再構築に成功したのはもちろんだが、「勝利の方程式」と呼ばれるリリーフ陣の再編も光った。特に7回・今野龍太、8回・清水昇、そしてクローザーを託された9回のスコット・マクガフの3人は盤石でチームを日本一に導いた。

「開幕当初は9回が石山(泰稚)で、7回がマクガフの予定でした。投げているボールも悪くないし、決して調子も悪くなかったのに、なかなか石山に結果が出ない。そこで本人のためにも配置転換をしました」

 就任早々、伊藤コーチは各投手と面談を行い、それぞれに課題や目標を与えている。

「たとえば、清水には真っ直ぐと縦変化だけではなく、横の変化を磨くこと。今野にはストロングポイントを生かしつつ、ウィークポイントをどうやって消していくか、そんなことを話しました」

 昨シーズン、今野は64試合、清水は72試合、マクガフは66試合に登板している。まさにフル稼働してつかみ取った優勝だった。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 1843文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

#東京ヤクルトスワローズ
#伊藤智仁
#今野龍太
#清水昇
#スコット・マクガフ
#石山泰稚
#アルバート・スアレス
#田口麗斗
#近藤弘樹

プロ野球の前後の記事

ページトップ