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PSGメッシらをサポーターが威圧…CLベスト16でレアル大逆転勝利の背景<翌日、カンプノウではなぜかバルサの守護神にブーイング>
posted2022/03/14 11:00
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。先週ミッドウィークに行われたCLのレアル・マドリーvsパリ・サンジェルマンと、ELバルセロナvsガラタサライの2試合から、メッシやベンゼマらワールドクラスのプレーを臨場感たっぷりにお届けする(外部サイトでご覧の方は関連記事などの「新着写真」からプレー写真をご覧になれます)。
元マドリーGKナバスには拍手が鳴り響いたが
この日、最初の歓声はパリ・サンジェルマンのGKケイラー・ナバスに向けられたものだった。
キックオフ約40分前、現マドリーGKクルトゥワがやってくるまでベルナベウの守護神だった彼が、アップのためにピッチに姿を現すと、まだ半分ほどしか埋まっていないスタジアムではあったが、大きな拍手に包まれた。
それに応えるナバスの表情も感謝を伝える柔らかいものだった。
3月9日、CLベスト16、2ndレグの一戦、レアル・マドリー対パリ・サンジェルマン戦の撮影のため、スペインの首都マドリードはサンティアゴ・ベルナベウスタジアムに向かった。
組み合わせ抽選が終わってから、ラウンド16でカメラマンとして現場に居ることが一番楽しみだったのが――このカードだった。1stレグをロスタイムのムバッペ弾で落とした白い巨人が、ホームでどう立ち向かうのか。
「MMNトリオ」の存在感は練習時から
また今までのカメラマン人生で一番撮影枚数が多いだろう、元バルサのメッシが移籍以来初となるベルナベウでのプレーとなった。さらには同じくバルサでメッシとコンビを組んでいたネイマール。2人に加えて「MMNトリオ」と呼ばれ、この夏マドリー加入も囁かれるムバッペの存在。カメラマン目線でも、撮りどころ豊富な魅力的なカードだった。
両チームのウォーミングアップが始まるよりも前に、サッカーカメラマンの仕事は始まる。注目選手、フォーメーション、力量を推測し、撮影ポジションを選択する。大きなプレーエリアを持つサッカーの撮影では、すべてのプレーを撮影することはできない。撮影ポジション選びは重要になる。
確実だったのは、1点ビハインドのホームチームが開始からスパートをかけるだろうということ。そこでマドリーが流れを掴むのか、パリがはね除け、カウンターで仕留めるのか。前半のマドリーの猛攻に賭け、特に左ウイング、ビニシウスのサイドからの突破が1つのキーになると予想し、ビニシウスに最も近づけるサイドライン沿いに撮影ポジションを選んだ。
メッシとPSGの選手たちに飛ぶブーイングの嵐
一足早く始まったGKのアップに続き、メッシを筆頭にPSGメンバーが登場してくると、一気にスタジアムのボルテージは上がり、ブーイングの嵐に包まれた。