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W杯への大一番を前に…遠藤航が戸田和幸と語ったボール奪取力の極意 ブンデスでのデュエル1位は「正直、自分でも驚きましたね」 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/03/13 11:01

W杯への大一番を前に…遠藤航が戸田和幸と語ったボール奪取力の極意 ブンデスでのデュエル1位は「正直、自分でも驚きましたね」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

今や日本代表の中盤に不可欠な遠藤航。解説者の戸田和幸氏と奥深いデュエルとボランチ論を話し合った

「性格ですかね。どちらかというと黙々とやることをやるタイプの選手で、常にチームのために何ができるんだろうと考えてプレーしているので」

 遠藤自身、キャプテン向きだと分析している。

「キャプテンをやるうえで、プレッシャーを感じずにやれるタイプ。キャプテンマークを巻いて入場するのは、モチベーション的に昂るものがあるくらいで、それ以外は自分ができることをやろうという気持ちで臨める。自然体でやれているのかなと思います」

 影響を受けたキャプテンについては、こんな答えが返ってきた。

「長谷部(誠)さんは背中で引っ張るタイプなので。僕もハセさんの背中を見て学んでいました。海外の選手では、カルレス・プジョル(元スペイン代表)みたいな気持ちを前面に出せる選手にも憧れます。ときには感情を表に出して意見を言うことも大事だと思うので。特に海外では」

 遠藤は今、ドイツという異国の地で、多国籍のチームをまとめている。日本とは異なり、背中で引っ張るだけでは難しいと感じているのかもしれない。

「自然体でやれる」という遠藤も、22年1月、2月に行われた中国戦とサウジアラビア戦でキャプテンマークを巻いたときは感じるものがあったという。

「代理とはいえ、日本代表のキャプテンを任せるって、監督に言われたとき、本当にすごい役割をやらないといけないんだなって思いました。今までよりも光栄に思いましたし、自分のサッカー人生を振り返って、日本代表のキャプテンマークを巻くまで成長したんだと実感しました」

トークライブの最後、戸田から送られたエールとは

 その後、視聴者からの質問コーナーに移った。「将来プレーしたいリーグ」「対戦して凄いと思った選手」「最近、戦術について語ることが多い理由」「アンカーにおける個人戦術」「ドイツで仲の良い日本人選手」などの質問に、遠藤が答えていく。 

 トークライブの締めくくりに、戸田氏からこんなエールが送られた。

「高みを目指して、健康に気をつけて、自身が望むキャリアをどんどん構築してもらえたらと思っています。身体的な部分も含めてまだまだ伸びると思います。フットボールへの理解もどんどん進んでいるのを感じます。すごく良いキャリアを歩んでいるように見えるので、ここからがピークだという気持ちで頑張ってください」

 3月24日にはカタールW杯アジア最終予選の大一番、アウェイのオーストラリア戦が控えている。この試合に勝てばW杯出場が決まり、引き分けでも出場権獲得に大きく前進するが、敗れれば一転、3位に転落してしまう。

「引き分けでオーケーという感覚でプレーしたくないんですよね。アウェイでもしっかり勝ちに行く準備をしていきたいと思っています」

 勝つしかないオーストラリアは重心を前に置き、攻撃的に仕掛けてくるに違いない。しっかりと受け止めながら、主導権を引き寄せて反撃に転じられるかどうか――。そんな痺れるゲームの中心には、攻守に渡ってコントロールする遠藤航の姿があるはずだ。

<遠藤航選手と戸田和幸さんがディープなサッカー談義を交わした「NumberプレミアムトークライブVol.2」のアーカイブ動画は、3月21日まで視聴可能です(チケット販売は20日まで)。オーストラリア戦の前に、お見逃しなく!>

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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