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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
冨安健洋とヤングアーセナルがブチ当たる“強豪に歯が立たない問題” でも最強FWアンリが「彼らの成長が見たい」と語るワケ
posted2021/12/06 17:04
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
「アーセナルは正しい方向に向かっているのでしょうか?」
12月2日に聖地オールド・トラッフォードで行われたマンチェスター・ユナイテッド対アーセナル戦の試合前、インタビュアーがアーセナルのクラブレジェンドであるティエリー・アンリにこんな質問をぶつけた。44歳の元フランス代表FWは、愛してやまない古巣について次のように述べた。
「相手次第ではないか。勝てるはずの格下には、(勝利しているので)『正しい方向に向かっている』と言える。しかし、0-4で負けたリバプール戦は、文字通り完敗だった。シーズン序盤には、チェルシーとマンチェスター・Cにも敗れた。つまり、ビッグクラブとの試合結果と内容から判断すれば、まだまだ足りない。
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だからアーセナルには、マンチェスター・Uを相手にオールド・トラッフォードで自分たちの力を証明してほしい。今季のプレミアリーグは、チェルシー、マンチェスター・C、リバプールのトップ3の実力が抜きん出ている。だが、4位の座は空いていると思う。アーセナル・フットボールクラブであれば、この4位を目指すべきだ」
「トップ3には明らかに苦戦している」(アンリ)
今季のアーセナルはクラブ史上67年ぶりとなる開幕3連敗を喫し、順位を最下位まで落とした。しかし、新加入のDF冨安健洋やGKアーロン・ラムズデイル、DFベン・ホワイトらが先発メンバーに名を連ねるようになった4節以降は7勝1敗2分で上昇気流に乗り、順位を5位まで引き上げた。
しかしアンリは、強豪との試合では「まったく歯が立たない」と指摘する。力の差を見せつけられたリバプール戦(0-4)を筆頭に、チェルシー戦(0-2)とマンチェスター・C戦(0-5)で「ひとつのゴールも挙げていない」とし、「トップ3には明らかに苦戦している」と続けた。
それだけに、ポルトガル代表のFWクリスティアーノ・ロナウドやMFブルーノ・フェルナンデスら実力者が揃うマンチェスター・Uとの一戦を「非常に重要な試合」と位置づけ、「勝利すれば、アーセナルはあらゆる意味で前進できる」と期待した。
若いアーセナルが、個人能力の高いマンチェスター・Uを相手にどこまでやれるか──。4位争いを占う意味でも、ここが最重要テーマだった。
ロナウドの仕事人ぶりとアーセナルの“脆さ”
結果から先に言えば、アーセナルは善戦しながらも接戦の末に敗れた。