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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
冨安健洋とヤングアーセナルがブチ当たる“強豪に歯が立たない問題” でも最強FWアンリが「彼らの成長が見たい」と語るワケ
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2021/12/06 17:04
リバプール戦に続きユナイテッド戦も勝ち点を落とした。しかし冨安健洋とアーセナルには確実に未来が見えている
試合序盤はアーセナルが押し込み、前半13分に先制点を奪取。しかしホームのマンチェスター・Uが巻き返し、前半44分にB・フェルナンデス、後半7分にC・ロナウドがキャリア通算800点目となるメモリアルゴールを決めて逆転した。その後、アーセナルは同点に追いついたが、最後は36歳のポルトガル代表FWがPKで再びネットを揺らし、3-2でマンチェスター・Uの逆転勝利に終わった。
マンチェスター・Uはオーレ・グンナー・スールシャール監督を解任し、ラルフ・ラングニックの暫定監督就任が決まったばかりだが、決して最高級のパフォーマンスを見せたわけではなかった。
やはりワンタッチでスムーズにつなげる攻撃は皆無で、2~3人が連携した攻撃もほとんどなかったが、「ここぞ」という勝負どころできっちり決めてくるあたりが、個人能力の高いマンチェスター・Uの底力だろう。運動量は多くないが、危険なエリアで決定的な仕事に集中して2ゴールを奪ったC・ロナウドは、その最たる例だ。
一方、アーセナルは若さゆえの脆さが出た。
ペナルティエリア内で一瞬の隙を突かれた1点目と2点目。そして、2-2の大事な局面で不用意なタックルからPKを献上した3点目。「オールド・トラフォードで3失点すれば、勝利を掴むのは難しい。試合を見れば、我々がもっと良い結果をつかめたと思われるだろうが、相手のクオリティーが高ければこのような結果になる」と唇を噛んだミケル・アルテタ監督の言葉は、まさに正鵠を射ていた。
冨安のプレーを悲観する必要は全くない
そして、冨安である。この試合で23歳の日本代表は右サイドバックとして11試合連続となる先発出場を果たした。
試合に敗れはしたが、冨安は自身のプレーを悲観する必要はまったくないだろう。マッチアップしたイングランド代表FWジェイドン・サンチョを完璧に封じ、サイドに流れてきたC・ロナウドにも決定的な仕事をさせなかった。本人としては、むしろ大きな自信になったのではないか。
とりわけ、今夏に約111億円で加入した俊足ウィンガーのサンチョには、ことごとく勝利した。