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「かつおくんのしょうりは、みんなのよろこび」つば九郎が明かす“2021年のヤクルトが最高!だった”5つの優勝秘話 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byNaoya Sanuki

posted2021/12/06 11:02

「かつおくんのしょうりは、みんなのよろこび」つば九郎が明かす“2021年のヤクルトが最高!だった”5つの優勝秘話<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

第2戦で勝利投手となった石川雅規とつば九郎の笑顔の2ショート

 昨年12月のこと。つば九郎はマスコットの仕事のために訪れた松山の「坊っちゃんスタジアム」で、地元の関係者から「午後から川端選手が来るよ」と声をかけられた。毎年1月に同地で行っていた自主トレを前倒しして、年内から密かに松山でトレーニングしていたのだ。すれ違いで会うことは叶わなかったが、「ことしにかける なみなみならぬ おもいが つたわってきました」と復活にかける決意を感じ取っていた。

 真中氏の現役時代に持つ代打安打記録が視野に入ってきたシーズン終盤には、つば九郎が、記録達成の際には花束を持っていくことを約束。川端もはじめは「頑張るね」と張り切っていたのだが……。

「とちゅうで、きろくはもういいよ。かてばいいから、って。ひっとじゃなく、ぎせいふらいや、しんるいだでもいい。ゆうしょうしたい、っていっていた。べんちでも、しまくんと ふたりならんで、ずっとこえだし。ときには、わかてにきびしいこともいう。でもせんぱいかぜはふかせない。みんながしたっている、おにいちゃん。そのそんざいは、すごくおおきかった!」

その3)「いつまでも~かつおくん」石川雅規

 誰もが認める小さな大エース。プロ20年目の今季は、6月に史上初となる大卒から20年連続勝利を達成した。抜群の制球力と投球術で、防御率3・04という安定感を見せリーグ優勝に貢献。日本シリーズでは、第4戦に先発し6回1失点の好投で、セ・リーグで最年長シリーズ勝利を挙げた。 

「がくせいのころから、じんぐうでみてきた~かつおくん(いしかわくんのことは、かつおくんとよんでます)。こんしーずんは、こうとうしても、えんごがない、しあいがおおかった。かつおくんが、なげるひは、ふぁんもいったいとなって~かつおくん、がんばれ!っておうえんしていました。かつおくんのしょうりは、みんなのよろこび。いまつうさん、177しょう。200しょうまで、がんばってほしい。NPBのえらいひと~! にほんしりーずの、1しょうを、5しょうぶんくらいにかんさんして、つうさんせいせきに、いれてあげられないですか~?」

 今シーズンは勝ち運に恵まれず、特に7月4日の中日戦から10月3日の広島戦まで8試合は、全て5回以上を2失点以内に抑えながら1勝しかつかないという不運が続いた。踏ん張っても勝てない。小さな大エースの苦境に心を痛めていたつば九郎は、9月26日、登板前の石川に「やくるとは まえのひうたないと つぎのひばくはつする ほうそくがある! だから あしたは らくにかてるよ!」とLINEでメッセージを送信。前日0-0で9回引き分けに終わっていたチームは、予言通りに16得点の大量援護で石川の白星をアシストした。 

【次ページ】 ヤクルトには『石川雅規』がいる

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