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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「いつもちかくでみていました」“現役28年大ベテラン”つば九郎が選ぶ「53歳高津臣吾監督はここがすごい!」ベスト3《日本一のウラ話》
posted2021/12/06 11:01
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Nanae Suzuki
今年で現役28年目の大ベテラン。誰よりチームをよく知る男、もとい「おす♂」に、頂点へと導いた高津臣吾監督の手腕、最高のチームメイトたちの秘話を聞いた(全2回の1回目/後編へ続く)。
趣味は「よるのぱとろーる」と公言するつば九郎のこと。連日の酒宴にすっかり美酒疲れと思いきや、何やら様子がおかしい。ピカピカに輝く手羽には「りっちな おす♂」の空気がムンムンだ。
「じゃぱんかっぷ~かっちゃった~!“やくるとばけん”で~がっぽり~」
何と、悲願の胴上げから一夜明けた11月28日、競馬のG1ジャパンカップでがっちり稼いでいたというのだ。選んだ数字は、高津臣吾監督の「22」とMVPを獲得した中村悠平の「2」、第2戦で完封勝利を挙げた高橋奎二の「47」、第3戦で決勝弾を放ったサンタナの「25」など、シリーズで躍動したヤクルトの選手たちの背番号にちなんだもの。
「2があたまだとおもって 2から4、5、7。かたいよそう。でも、しぼってかったから、ばっちり~!」
実はつば九郎の馬券と、今シーズンのヤクルトの強さには見過ごせない相関関係があった。
「つばくろうがまけると、ちーむがかつ。じんくすは、さいごまでけんざいでした!」
長年の趣味である週末の競馬でつば九郎が負けると、なぜかその日はチームが勝利するというナゾの法則。当日に試合がなかった秋の天皇賞はとったものの、チームの強さと反比例して負け続ける「おす♂」の懐事情は秋が深まるごとに枯れ果て……。阪神、巨人とのリーグ優勝争いが苛烈になると、ベテラン青木宣親から「つば九郎、馬券外せ!」の鬼指令が出されていたという。
「じゃぱんかっぷとったよ~、って、あおきくんにらいんしたら“もうしあいないから、ぞんぶんにかってください”って。あきにまけたぶんは ぜんぶとりもどせました! でへへ~」
ヤクルトの「厄(やく)」を一手(羽?)に引き受け、大団円=全日程終了とともに運を取り戻したつば九郎。さすがは「日本一の鳥」だ。
つば九郎が明かす「高津監督のここがすごい!」
高津監督とつば九郎の縁は現役時代から続く。本拠地・神宮球場での試合では、ベンチに近い「巣」を根城にしているだけに、その手腕を誰より近くで見続けてきた。2年連続最下位から頂点へと導いたその手腕の「凄さ」とは?