マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
過去10年のドラフトで9人だけ…なぜ「二塁手」は指名が少ない? でも来年は違う…ドラフト有力候補の大学生「二塁手」6人の名前
posted2021/11/07 17:02
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
今年「2021ドラフト」で、「内野手」という表記で指名された選手は、支配下、育成ドラフト合わせて17選手。そのうち「二塁手」を本職とする選手は、ロッテ2位指名の池田来翔選手(国士舘大)、ただ1人だった。
わずかに、日本ハム9位指名の上川畑大悟選手(NTT東日本)が、日本大当時に二塁手として敏捷なフィールディングを披露していたが、社会人の2年間は遊撃手として、守りの要をつとめていた。
例年、内野手のドラフト指名は「遊撃手」が圧倒的に多く、次いで三塁手となり、二塁手、一塁手は1人、2人というのが実情だ。
抜群の身体能力と野球センスを兼ね備えた選手でないとこなせないといわれる遊撃手というポジション。
一方、二塁手には、打力が伴わないのと、肩が今一つのイメージがつきまとい、逆に一塁手、三塁手は打力が優先されるポジションで守備力と脚力がどうなのよ……と、「色メガネ」で見られてきた“歴史”もあった。
ドラフト有力候補の大学生「二塁手」たち
毎年、遊撃手が内野手の主役的な位置を占めてきたが、来年「2022ドラフト」は、これまでとはちょっと違った“傾向”になりそうな気配である。
大学生の「二塁手」に、プロでレギュラーを狙えそうな逸材が何人も控えているのだ。
2020年以前、過去10年のドラフトで「二塁手」として指名されたのは、わずか9選手。1回のドラフトで2人いなかった……ということだ。それが、来年は一気に5人の二塁手が、ドラフト有力候補に台頭しそうな勢いだ。
ならば、どんな顔ぶれなのか。
明治大・村松開人(171cm76kg・右投左打・静岡高)
法政大・齊藤大輝(178cm74kg・右投右打・横浜高)
亜細亜大・田中幹也(166cm65kg・右投右打・東海大菅生高)
駒沢大・林琢真(169cm69kg・右投左打・東邦高)
青山学院大・山田拓也(169cm73kg・右投左打・東海大相模高)太字
それぞれに個性豊かな、同じ年のドラフトに集中してしまうのが勿体ないほどの「クセモノ」たちである。
彼らがこんな早い時期から、翌年の注目ポイントとして取り上げられるのは、「打てる二塁手」であることが大きい。