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アーセナル移籍の冨安健洋が上々のプレミアデビュー…右SB起用も適正は中央にあり? ケイン、ルカク、C・ロナウドとの胸熱マッチアップも
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2021/09/17 17:04
ほぼぶっつけ本番でデビュー戦に臨んだ冨安。安定した守備に加え惜しいボレーシュートを放つなど、十分な存在感を示した
今後はボローニャでも好評だったミドルレンジのパスもふんだんに取り入れるだろう。アーセナルの選手は足下でボールを欲しがらず、特にニコラ・ペペは冨安を信じて相手DFラインの裏を取る動きを繰り返すべきだ。そのスピードがより活かされるに違いない。
こうして、アーセナルの右サイドが活性化しようとしている。
キーラン・ティアニーとブカヨ・サカを擁する左サイドに比べるとシャイだっただけに、冨安の加入は心強い。しかし、このまま右サイドバックに固定されるのだろうか。冨安、ホワイト、ガブリエウ、ティアニーの4バックが基本になるのだろうか。
ホワイトは身長185cm。足下の技術に優れ、フィード能力も備えているとはいえ、高さでは勝負できない。したがって冨安のセンターバック起用も考えられる。
アルテタが冨安の万能性に気づけばCB起用も
ピッチ中央の冨安とジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・C)、サディオ・マネ(リバプール)、マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)たちのマッチアップは興味深く、彼らと互角に戦えるのは冨安しかいない。
ロメル・ルカク(チェルシー)、クリスティアーノ・ロナウド(ユナイテッド)、あるいはケインとの勝負を想像しただけでも胸がわくわくしてこないか。アルテタが「右サイドバックとして獲得した」と言及しているとはいえ、冨安の万能性に気づけば気づくほど、センターバックというプランが浮上したとしても不思議ではない。
「たった1試合で浮かれやがって」とのご指摘があるのなら、甘んじて受け入れよう。
吉田麻也(サウサンプトン/現サンプドリア)と岡崎慎司(レスター/現カルタヘナ)を除く7人の日本人選手が、志半ばでイングランドを去った苦い歴史も承知している。
多くの選手がフィットするまで苦しむプレミアリーグに冨安はスムーズに入った。10年近くプレーしているかのように、泰然自若としていた。
果たして、アルテタは冨安を活用できるだろうか。9月26日はノースロンドンダービーである。中央でケインを撃墜するか。右サイドでソン・フンミンを叩きのめすか。
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