アーセナルOB「トミはファンのハートを鷲掴みに」 冨安健洋22歳、スタンディングオベーションも当然な「4つの好プレー」《現地レポート》

　アーセナルの本拠地エミレーツ・スタジアムが、スタンディングオベーションに包まれた。

　冨安健洋に交代が告げられたのは後半17分のこと。日本代表DFが、アーセナルサポーターの陣取るゴール裏を通って自軍のベンチに向かうと、1階席、2階席、3階席のサポーターが次々と立ち上がり、総立ちで冨安に盛大な拍手を送ったのだ。22歳のサムライも、スタンディングオベーションに両手を叩いて応えた。

　冨安がコーナー付近を経由してメインスタンドに戻ってくると、スタンディングオベーションの波はさらに広がった。冨安との交代でエミル・スミスロウがピッチに入り、すでに試合が再開されていたにもかかわらず、である。プレミアデビュー戦で躍動した冨安を、エミレーツ・スタジアムの住人たちは盛大な拍手で称えた。

スターティングオベーションで称えられた冨安　©Getty Images

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特に光った「積極性」と「落ち着き」

　11日に行われたプレミアリーグ第4節のアーセナル対ノリッチ戦。冨安は試合のわずか2日前にチーム練習に初めて参加したばかりだったが、4-2-3-1の右サイドバックとして先発した。「トミ（冨安）は我々と1日半しか練習をしていない」とミケル・アルテタ監督が語ったように、今回の出場は文字通り「ぶっつけ本番」。だが、起用効果とインパクトは絶大だった。

　特に光ったのは「積極性」と「落ち着き」である。

　積極性が際立ったのは、立ち上がりから何度も見せた攻撃参加だ。前方にスペースを見つけると迷うことなく駆け上がり、味方の縦パスを引き出した。前半45分にクロスボールのこぼれ球をジャンピングボレーで合わせたシーンも、SBでありながらゴール前に詰めてチャンスを生み出そうとする積極性が生んだプレーだ。

アーセナルの決定機を冨安の“斜め走り”が呼びこんだ

　さらに効果的だったのが、外側から中央部に駆け上がっていくダイアゴナルランである。

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