サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
久保建英、3戦目の先制ゴールは“何がスゴかったのか?”…中西哲生に聞く「実は難易度が高い」〈NZ戦で三笘起用あるか〉
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byJIJI PRESS
posted2021/07/30 17:02
フランスに4-0と完勝した日本代表。久保建英は3試合連続ゴールでチームを牽引した
途中出場した三好康児と前田大然は、それぞれ貴重な追加点をゲットしました。三好の3点目は旗手の、前田の4点目は相馬勇紀のアシストです。また、前2試合は先発した林大地は、メンバーから外れていました。疲労回復のためだったのでしょう。
準々決勝以降の戦いへ向けて、アタッカー陣はそれぞれにいい材料を持っていると言うことができます。休養を与えられた選手、調子が上向きの選手が揃っている。
一方の守備陣は、累積警告による出場停止が気になります。フランス戦で通算2度目の警告を受けた酒井宏樹は、準々決勝に出場できません。また、冨安健洋、中山雄太、遠藤、田中が出場停止にリーチがかかっている。守備陣ではありませんが、堂安律も警告を受けています。ニュージーランドに勝つことができても、彼らが警告を受けて準決勝に出場できなくなったら──おそらくはスペインが待つ準決勝が厳しくなる。
ADVERTISEMENT
2枚目の警告を受けるリスクを、いかにコントロールするのか。準々決勝のポイントのひとつですが、能動的にリスクを減らす意味では、キャスティングも重要になるでしょう。
ニュージーランド戦で「三笘起用」はあるか?
フランス戦では三笘薫が出場しませんでした。交代枠が「5」ということもあり、フィールドプレーヤーで唯一ピッチに立たなかった。
準々決勝のスタメンを予想すると、三笘は選びにくいかもしれません。三好、相馬、旗手らは、状態が上がっていることを試合のなかで示しているからです。
一方で、スカウティングという観点に立つと、久保と堂安が厳しい警戒にあうのは確実で、彼ら以外のアタッカー陣もグループステージのプレーを分析されるでしょう。
三笘はどうか。彼のプレータイムは、メキシコ戦の11分に止まる。それも、プレーの機会は多くなかった。ニュージーランドも三笘の情報は持っているでしょうが、最新版にアップデートできていないと思うのです。
ニュージーランドのゲームプランニングを想定すると、攻め合いは臨んでこないはずです。ゲームを膠着させたい相手の狙いを崩すためにも、三笘の仕掛けは効果的です。
彼自身がゴールやアシストを決められなくても、「カオス」を生み出せる。ドリブルで仕掛ける三笘に、相手DFがアタックし、ルーズボールが久保や堂安の元へこぼれてくる、といったことも起こり得る。守備側が予測できない状況を生み出す存在として、三笘に期待したいのです。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。