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大谷翔平の活躍を確信していた? レアードが明かした渡米前の秘話…大谷に「やるべきだ。二刀流は出来るよ」と語ったワケ
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph bySankei Shimbun
posted2021/07/26 11:02
2016年クライマックス・シリーズで、ホームランを放ったレアードを迎える大谷翔平
こうして2死満塁で回ってきた打席で、レアードはスタンドの喧騒とは対照的にいたって冷静だった。スライダーが2球外れて2ボール。ストレートでカウントを取りに来ると考えてもいい場面でレアードはあえてもう1球、スライダーが来ると思った。
「あそこはあえてスライダーを待っていた。向こうはボクがストレートを待っていると考えているだろうからね。だから3球連続でスライダー。その1球に集中をしていた」
狙い通りのスライダーを強振すると打球はレフトスタンドに吸い込まれていった。日本一を決定づけた一発となった。
「二刀流はどうかな?」
大谷は翌17年のシーズンを最後に渡米する。
最後の1年、レアードは大谷からアメリカの事をよく聞かれた。
「打撃はどうかな?」と聞かれると、「もちろん通用する」と返した。「ピッチングはどうかな?」という問いには「すべてが素晴らしいじゃないか」と返答した。
そして聞かれた。
「二刀流はどうかな?」
この問いにも即答をした。
「もちろん、やるべきだ。二刀流は出来るよ」
ずっと近くで見ていた男は自信をもって答え、大谷をMLBの舞台へ送り出した。