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なぜネイマールは「メッシとロナウド級になれなかった」のか 本人取材を経験した記者が嘆く“2つの理由と周囲の環境” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/06/09 12:32

なぜネイマールは「メッシとロナウド級になれなかった」のか 本人取材を経験した記者が嘆く“2つの理由と周囲の環境”<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2011年クラブW杯の表彰式のひとコマ。それから10年、ネイマールはメッシを超えたとは言い難い

やはり、ブラジルをW杯優勝に導くしかない

 PSGでは、自身の活躍で欧州CL初制覇を達成できれば、クラブ史に燦然と輝く存在になれる。

 ブラジル代表では、これまでに105試合に出場して66得点を記録し、77点の歴代最多得点記録を持つキング・ペレを11点差で追う。ちなみに、3位はロナウドの62点、4位がロマーリオの55点、5位がジーコの48点である。2022年W杯南米予選は残り12試合で、早ければ予選の期間中、あるいは2022年W杯期間中にペレを追い越してブラジル代表の歴代最多得点記録保持者となる可能性がある。

 しかし、仮にペレの得点記録を超えたとしても、ペレよりも優れた選手と評価されることはありえない。W杯で一度も優勝していないからである。年齢を考えると、2022年大会が主力として最後の出場となるかもしれない。

 もし優勝すれば、ペレ、ガリンシャ、ロナウド、ロマーリオに次ぎ、ジーコ、カカ、リバウドらと同等かそれ以上の存在となれるだろう。しかし、W杯で一度も優勝できなかったら、これらの選手よりも下のランクということになりそうだ。

 現在ネイマールは29歳4カ月。近年、故障が多いことを考えると、選手寿命はあまり長くないかもしれない。これからの1、2年が最後の輝きを放つ時間となってもおかしくない。

 ネイマールに残された時間は、限られている。今後、大きな故障をせず、ピッチ外のトラブルを最少にとどめ、全身全霊を傾けてプレーしなければなるまい。

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