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なぜネイマールは「メッシとロナウド級になれなかった」のか 本人取材を経験した記者が嘆く“2つの理由と周囲の環境” 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/06/09 12:32

なぜネイマールは「メッシとロナウド級になれなかった」のか 本人取材を経験した記者が嘆く“2つの理由と周囲の環境”<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2011年クラブW杯の表彰式のひとコマ。それから10年、ネイマールはメッシを超えたとは言い難い

 ところが、離婚後の昨年4月、自身のインスタグラムで自分より30歳若く、息子より6歳若い男性と熱愛中であることを告白。ネイマールも「お母さん、幸せに」とコメントした。ところが、その後、この男性がバイセクシュアルで、女性と交際する場合は常に年配で金持ちの人を選ぶと報じられた。これを知って、ネイマールが同性愛者を蔑む言葉を使ってこの男性を罵倒。交際宣言からわずか2カ月後、2人は大喧嘩をして別れている。

“甘やかし放題”な幼友達の存在も

 ネイマールの幼友達の存在も、彼のキャリアを邪魔しているという声がある。

 バルセロナでもパリでも、ネイマールは常に家に数人の同世代の友人を住まわせ、彼らの生活の面倒を見ながら、ビデオゲームやポーカーやビリヤードの遊び相手にしている。当然、彼らはネイマールを甘やかし放題にする。29歳にもなって、小学生でもやらないような幼稚な友達付き合いを続けている。

 精神面の成長が遅れているネイマールを親身になって手助けしようとしたのが、ブラジル代表のチッチ監督だった。代表監督に就任した2016年以降、対話を繰り返し、彼がプレーや言動で批判を浴びると常に擁護した。ネイマールはチッチを良き理解者とみなして信頼し、アドバイスに耳を傾けるようになった。

 しかし、代表チームで選手と監督が過ごす時間は長くない。しかも、昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため代表の活動は2週間程度で、今年も5月末まで活動が休止されていた。ネイマールがチッチの薫陶を受ける時間は急減してしまった。

ネイマールは一家にとっての金づる状態である

 今後、ネイマールが自分の能力を最大限に高めるにはどうすればいいのか。

 個人的には、私生活においては理性的で包容力がある女性と巡り合い、結婚して幸せな家庭を築くのが最良と考える。それによって精神的に安定し、父親、スタッフ、幼友達ら取り巻き連中の影響を低減することもできるのではないか。

 しかし、現実にはネイマールは一家にとっての金づるであり、父親がネイマールに対する手綱を一気に緩めるとは考えにくい。これからも、彼は父親の誤った判断や指示の犠牲となり、様々なトラブルに巻き込まれそうな気がしてならない。

 ピッチ内では、何を目指すべきか。

【次ページ】 やはり、ブラジルをW杯優勝に導くしかない

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