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「OAはなぜ吉田麻也・遠藤航・酒井宏樹なの?」「三笘薫は生き残れる?」日本代表メンバーで気になる“3つの論点”
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/05/21 11:03
東京五輪メンバーの確定まで残された時間はあとわずか。三笘薫は生き残れるのか?
日本代表で吉田とセンターバックのコンビを組んでいる冨安健洋は、東京五輪世代の22歳です。彼らふたりに右サイドバックの酒井を並べれば、4バックのうち3人が日本代表のレギュラーになります。さらにダブルボランチの一角に遠藤が入れば、守備の安定感は飛躍的に高まるでしょう。
五輪やW杯のような世界大会では、いかに失点を抑えるのかが重要になります。2点取れるチームでも、3点取られたら勝てない。僅差の攻防を制していくための守備力を手に入れることで、ゲームプランが構築しやすくなります。
OAに選ばれた3人は、五輪の舞台に立っています。吉田は08年大会でメンバー入りし、12年大会にはOAで出場しています。酒井は12年大会、遠藤は16年大会の代表です。
12年大会はベスト4に勝ち上がりました。一方、16年大会は1勝1分1敗の成績を残したものの、3位でグループリーグ敗退に終わっています。彼ら3人がチームに加わることで、グループリーグ突破の難しさ、表彰台に立つ厳しさといった生の経験を、チーム全体で共有することができるでしょう。
プレースタイルを見ても、OAに最適と言っていい。
遠藤はデュエルの強さがクローズアップされるボランチですが、ボールさばきもスムーズで攻撃のスイッチを入れることができます。日本代表と所属クラブで定位置とするボランチだけでなく、センターバックやサイドバックでもプレーできる。
酒井は右サイドバックのスペシャリストですが、所属先のマルセイユでは左サイドバックでも起用されてきました。4バックだけでなく3バックにも適応できる。吉田も遠藤も、3バックと4バックのどちらでもプレーできます。
そう考えると、彼ら3人が加わったことで、戦術的な選択肢が広がったということもできるでしょう。五輪は1チーム18人のメンバー編成ですから、複数ポジションでプレーできる選手が頼もしいのは言うまでもありません。
その2)吉田・冨安不在で見えてくる「CBの3番手」
U-24日本代表から日本代表へ視線を移すと、2人のレギュラーが不在となるセンターバックは興味深い。谷口彰悟、昌子源、植田直通、中谷進之介の4人が、どのようなプレーを見せるのか。