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「OAはなぜ吉田麻也・遠藤航・酒井宏樹なの?」「三笘薫は生き残れる?」日本代表メンバーで気になる“3つの論点”
posted2021/05/21 11:03
text by
中西哲生+戸塚啓Tetsuo Nakanishi + Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
1チーム2カテゴリーによる同時進行で、世界を意識した強化を進めていく。5月下旬から6月15日までに5試合を消化する日本代表と、6月5日と12日にテストマッチを戦うU-24日本代表のメンバーが、5月20日に発表されたのだ。
久保建英のプレー解説でお馴染みの中西哲生氏に、今回のメンバー発表から3つの論点を絞り込んでもらった。
U-24日本代表のオーバーエイジ(OA)、レギュラー不在となる日本代表のセンターバック、それにU-24日本代表における三笘薫の立ち位置である。
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2つの代表チームのリストを見ると、森保一監督が東京五輪に重点を置いていることが伝わってきます。
「2種類?」別々のチーム編成を組んだワケ
日本代表の活動は、5月28日のミャンマー戦からスタートします。W杯アジア2次予選となるこの試合は、当初3月に開催されるはずでした。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックによって延期された経緯があります。代替日程がインターナショナルマッチデイではないタイミングで組まれることとなり、28日時点でリーグ戦が終了している海外組で臨むこととなりました。
このミャンマー戦に勝つと、首位での最終予選進出が決まります。客観的な力関係の比較として、勝利は間違いありません。
そこで、森保監督はミャンマー戦とそれ以降の4試合で、別々の日本代表チームを編成しました。キャプテンの吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航の3人を、ミャンマー戦後はU-24日本代表に招集したのです。東京五輪本大会を見据えたOAとして、この段階でチームに合流させたのでした。
前回のリオ五輪では、3人のOAは大会直前に合流しました。OAを交えての実戦は、クラブチームとの練習試合と代表チーム同士のテストマッチを1試合ずつ消化しただけでした。
U-24日本代表は東京五輪開幕までに、6月に2試合、7月に2試合のテストマッチを戦います。6月のタイミングからOAを迎えることで、細かなすり合わせが可能となります。6月5日のU-24ガーナ戦、同12日のジャマイカ戦で気になったところを、7月の2試合で修正できる。スケジュールからの逆算という意味で、東京五輪で勝つための準備を進めていると言えるでしょう。
その1)なぜ「吉田麻也・遠藤航・酒井宏樹」なのか?
森保監督は「3人は絶対的な戦力になり、経験の少ないU-24日本代表世代への影響力がある」と話しています。私自身はセンターラインを強化する観点から、センターバックの吉田、ボランチの遠藤、1トップの大迫勇也の3人の選出を想定していましたが、大迫ではなく酒井でも納得できます。