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田中碧の“皇帝感”に万能な板倉滉… 東京五輪世代レギュラー争いは未招集組を含めてハイレベル【最新序列図あり】
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byNaoki Morita/AFLO,JMPA
posted2021/04/01 06:01
プレーだけでなく中盤での声掛けも貫禄十分だった田中碧と、CB・ボランチで万能性を見せた板倉滉
「自分は常に上を目指しているし、この試合に勝つことが目標だけど、自分自身が成長するためにやっている部分もあって。すでにA代表でプレーしている選手もいるし、自分もそこに入っていかないといけない。海外でバチバチやっている選手がいる一方で、自分は国内でやっているので、その差をいち早く埋めないといけない。だから今日は、存在感を出したいと思っていたし、フロンターレでやっていることを出せたのかなと思います」
板倉もCB・ボランチ両方でハイレベルだった
もっとも、冒頭で「ひとりの選手によって」と書いたものの、素晴らしいパフォーマンスを見せたのは、田中だけではない。
初戦はセンターバック、2戦目はボランチとして出場し、セットプレーから2点を奪取した板倉は、改めてボランチもハイレベルでこなせること、得点力も高いことを証明した(2018年1月のU-23アジア選手権でも2ゴールをマークしている)。横内監督も信頼を寄せる。
「板倉は自チーム(オランダのフローニンゲン)では4バックのセンターバックで、右も左もやる。3バックだったら右も左も真ん中もやれる。代表ではコパ・アメリカのウルグアイ戦でボランチを務めている。どのポジションでも高いレベルでプレーできて、オリンピックチームで非常に貴重な存在だと思う」
ライバルの活躍に刺激を受けているのは、初戦でボランチを務めたこのチームのキャプテン、中山雄太だろう。2戦目の出場も予定されていたが、負傷のために見送られた。
この中山も板倉と同様、守備のユーティリティプレーヤー。これまで不動のボランチだったが、今後はA代表でも試されたように、左サイドバックでの起用も視野に入れたい。
第2戦で先制ゴールを決めたFW林大地と、アシストしたセンターバックの瀬古歩夢も評価を高めた選手たち。前線で身体を張った林のプレーはチームを大いに助けたし、瀬古のフィードはこのチームにとって大きな武器となりそうだ。
2戦連続トップ下の久保が攻撃の核か
南米王者・アルゼンチンとの2連戦を経て、4カ月後の本番におけるチームの姿が、より一層鮮明になってきた。
このチームの強みである2列目のタレントやサイドアタッカーを最大限に生かすため、システムは4-2-3-1がメインで、3-4-2-1がオプションだろうか。
久保が2試合連続してトップ下で先発起用されたのは、攻撃の核として考えているという指揮官のメッセージにも受け取れる。