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クロマティがガチで選ぶ“各ポジションNo.1”は誰? 坂本勇人&鈴木誠也を絶賛、“日本一上手い外野手”は意外な選手【動画あり】
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byKiichi Matsumoto
posted2021/01/08 18:05
YouTubeチャンネルの企画に合わせて“最強チーム”を選出してくれたウォーレン・クロマティ
クロマティ:カイサン(甲斐拓也/ソフトバンク)、No.1!
――こちらは即決ですね。
甲斐はリーダーシップと捕球能力を評価したい
クロマティ:甲斐はどのキャッチャーよりも優れている。「自分が扇の要だ」という気持ちや準備がしっかりしてて、強いリーダーシップを持っているし、アーム(強肩)もあるからね。あと、ボールを決して後ろに逸らさない。これは日本でも大リーグでも重要視される部分だ。
そしてピッチャーのよい所を引き出すコミュニケーションを常に行ない、信頼関係を作っている。日本シリーズで実際に見て、そのトレーニングぶりはドリルのようだ。彼自身が育成契約から上がってきて、トップまで上り詰めた点についてもリスペクトしているよ。
村上、ゆくゆくは三冠王を狙えるよ
――続いて内野手です。まずは一塁手から。
クロマティ:ムラカミサン(村上宗隆/ヤクルト)! ニジュッサイ、ヤング!
――高卒3年目にしての3割超え、28本塁打とさらに成長した印象です。
クロマティ:アオキサン(青木宣親)、イタカラネ。青木はメジャーリーグでやった経験があって、なおかつ同じ左打者だから、色々と教えてもらったんだろう。でも私も村上と話したから、私のアドバイスも効いているはずだ(笑)。今の時点で若手No.1パワーヒッターは岡本(和真/巨人)で、村上はその次だが、村上はさらに若いし、技術を習得するのも早い印象だ。三振を減らすことが必要だけど、ゆくゆくは三冠王も狙えるんじゃないかな。
――将来の三冠王候補! 村上選手を高評価してるんですね。では続いて二塁手です。
クロマティ:ムズカシイ……キクチサン(菊池涼介/広島)、アサムラサン(浅村栄斗/楽天)、ヤマダサン(山田哲人/ヤクルト)。ムズカシイ……。
――……相当悩んでいるので、二塁手については最後にもう一度聞きますね。三塁手はどうでしょうか。
三遊間は岡本・坂本を大絶賛
クロマティ:オカモトサン! さっきも話した通り、素晴らしいパワーヒッターだ。私が打撃を教えてあげたしね(笑)。岡本の場合はファースト、レフトもできるけれど、サードの守備でも足をしっかりと使えて動けているよね。みんなあまり触れていないけど、私はそこも評価しているよ。No.2は松田(宣浩/ソフトバンク)。リーダーシップがあってガッツあふれるし、守備でも打球に対していつも最高の準備をしている。
――内野手、最後は遊撃手です。
クロマティ:サカモトサン(坂本勇人/巨人)。守備については難しいこともできるけど、プレー自体がシンプルかつ安定しているんだ。いわゆる“1歩目”がとてもよくて、ボールに対する反応も凄くいい。そしてバッティングも素晴らしい。私から見ると、彼はプルヒッターではなく、ライト、センターと広いレンジで打球を飛ばせる打者だ。攻守ともに日本のショートとして求められるものを一番多く持っているよ。ただ日本球界のショートストップについて、少し気になることがある。
――え、なんでしょう?
クロマティ:坂本に対抗できるような、守備も打撃もいいバランスの取れたショートストップが、なぜ出てこないんだ? 私が現役の頃にいた石毛(宏典/西武など)のような、リーグを代表する花形のショートがもっと出てくればいいのだが。