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マリノス前監督モンバエルツがACL初制覇へエール「喜田と天野は素晴らしい選手になった。あとは…」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/12/06 17:01
2015年から2017年まで横浜F・マリノスの監督を務めたモンバエルツ氏
それから2つ目の理由は、私はずっとCFGの一員だが、彼らは私にクローズ・リベラトワールを求めた。つまり年ごとに状況を考慮し、フランスで何らかのプロジェクトを始めるときには私もそれに専念する。実際にトロワ(注:フランス2部のチーム)が新たにCFGに加わり、フランスでのプロジェクトが具体性を帯びてきた。まだ実際にどうなるかわからないが、私がそこに加わる可能性も出てきた。その2つが帰国を決めた理由だ。
――ここまで良い仕事をしてきたのに、こういう形で断念しなければならないのは残念ですね。
モンバエルツ トップチームだけでなく若手の育成や、指導者の養成――とくにアカデミーの指導者養成にも関わった。その点でもスタッフたちは優秀だった。彼らは私が去った後も仕事を続けていくから、そこは問題ない。私自身はフランスのプロジェクトに関わっていきたいと今は思っている。家族にとってもその方がいい。
「喜田と天野は素晴らしい選手になった」
――昨季や今季のマリノスの試合は見ましたか?
モンバエルツ 今年の試合は見た。中断の合宿期間中に何試合か見ることができた。相手のカウンターアタックから失点する場面が多かったのが残念だった。
――高い位置にDFラインを敷くのでリスクは大きいです。
モンバエルツ 日本とオーストラリアでは時差がほとんどないから試合を見るのは難しくはない。夜、スタッフたちと一緒に見ることが多かった。喜田がとてもいいプレーをしていたのが印象に残っている。
――喜田は本当に進歩しました。彼がこれほどのレベルに到達するとは思っていませんでした。日本代表に入れたいぐらいです。
モンバエルツ 扇原もいいだろう。
――今季は怪我がちですが、仲川も昨シーズンは素晴らしかったです。
モンバエルツ テル(仲川)も良い選手になった。遠藤渓太は私が見た試合の後に移籍していった。
――ええ、ドイツに行きました。
モンバエルツ 彼らはみな私とともにマリノスでプレーをはじめた選手たちだ。ここまで成長してくれて本当に嬉しい。特に喜田と天野は素晴らしい選手になった。テルも遠藤も。
――今季は国内タイトル獲得の可能性はなくなりましたが、ACLが残っています。