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久保建英は37億円、冨安や香川は?
欧州組の市場価格キャリアハイ調査。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAFLO
posted2020/08/16 11:50
新天地はビジャレアルに決まった久保建英。さらなる飛躍が期待される来季、市場価格はどこまで高騰するだろうか。
高騰する移籍金に賑わうメディア。
今季はコロナ禍で陰りを感じるが、ここ近年の欧州サッカー移籍市場はまさにバブルだった。移籍金2億2200万ユーロ(当時約290億円)というネイマールのバルサ→PSGを筆頭に、ひと昔前では考えられなかった1億ユーロを超える提示額の移籍報道も珍しくなくなった。
そもそもバルサでケガがちかつ、謎の練習無断欠勤をするデンベレのように、1億ユーロ超の価値がその選手にあるのか? というケースもあるし、クラブ間格差はさらに広がる一方だという懸念は確実に存在する。ただ移籍金による「市場価格」自体も、各国メディアの“見出しどころ”であることは確かだ。そして久保もまた、メディアで大きく扱うに値する1人として見られているのかもしれない。
しかし1年前、久保の市場価格がこれほどまでに高まると想像した人はさすがに多くはないだろう。歴代の欧州組でも、相当なレアケースなのではないだろうか。
森保ジャパン三銃士は?
各国には数多くの日本人選手が所属し、各クラブで存在感を放っている。そこで森保ジャパンで“三銃士”と評される南野拓実、中島翔哉、堂安律。今季フランクフルトで開花した鎌田大地、東京五輪世代のDFリーダー冨安健洋。彼らの2019~2020年の市場価格推移を見てみよう。
・南野拓実
2019年6月/500万ユーロ
2019年12月/1250万ユーロ
※冬の市場でリバプール移籍
2020年4月/1000万ユーロ
・中島翔哉
2019年1月/1800万ユーロ
2019年5月/2500万ユーロ
※夏の市場でポルト移籍
2019年12月/2000万ユーロ
2020年4月/1600万ユーロ
・堂安律
2019年6月/1000万ユーロ
※夏の市場でPSV移籍
2019年12月/800万ユーロ
2020年3月/700万ユーロ
2020年4月/630万ユーロ
今年4月、久保も含めた全ての選手が市場価格が下がっている(新型コロナウイルス禍による経済不安のため)。特に堂安はエールディビジ自体が打ち切りになったことも大きく影響した。来季はV字回復できるか否か、ターニングポイントとなるだろう。リバプールで熾烈なチーム内競争の真っただ中にいる南野、ポルト1年目の終盤戦で出番を得られなかった中島も、再び自らの価値を高めてほしいところだ。