酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
1位巨人と2位西武が571ゲーム差!?
通算84年の勝敗を順位表にすると。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2020/07/06 19:00
開幕戦で球団創設6000勝を達成した巨人。原監督、坂本勇人、菅野智之らも記念の瞬間の1枚に収まった。
ドラフト導入後、巨人と阪神は……。
巨人は戦前から1リーグ時代(1936年秋~49年)は15シーズンで9回優勝、勝率は.656(783勝410敗23分)。2リーグ分立後も圧倒的に強かったが、1965年のドラフト制導入後は戦力均衡が進んだ。しかし巨人は、それ以後も弱くなってはいないのだ。
ドラフトで入団した選手が力を発揮し始める1970年前後での巨人の成績は以下の通り。
※1970年以後は2019年まで
1969年以前 2370勝1387敗89分 率.631
1970年以後 3629勝2904敗236分 率.555
数字は落ちたが、それでも5割5分以上の高い勝率を誇っている。対照的だったのが阪神だ。
1969年以前 2135勝1641敗92分 率.565
1970年以後 3184勝3363敗226分 率.486
'69年以前は阪神は巨人の最大のライバルで勝率も高かったが、ドラフト施行後は負け越している。1990年代は最下位が6回と暗黒時代を経験している。
ドラフト施行後、良い選手が各球団に散らばったが、巨人はそれでも優位を維持してきたのだ。ドラフトの逆指名制度やFA制度などを活用したということもあるが、名門の意地というべきか、いつの時代も優勝争いをしてきたのだ。
西武とソフトバンクが大接戦。
この表を作って分かったのだが、2位の西武と3位のソフトバンクが7月2日時点で「ゲーム差なし」である。1950年からパ・リーグに加入した西武(西鉄)と1938年秋シーズンからのソフトバンク(南海)は試合数が異なることもあって勝率は西武が上だが、ゲーム差では並んでいるのだ。
6月23日からの週は両チームが6連戦を戦っているが、実はこのカードは「創立以来のペナントレース」の「2、3位攻防戦」だったわけだ。それを意識している選手、関係者は1人もいなかっただろうが……。