プロ野球亭日乗BACK NUMBER
プロ野球選手会長・炭谷銀仁朗。
「正解は分からないが、戦っていく」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/05/08 11:50
普段から選手会長としてプロ野球機構との折衝などに奔走している炭谷(右)。コロナ禍にあっても先頭に立って選手たちを引っ張っている。
「受け皿を作れた意味は大きかった」
そのことを以前から交流のあったベースボール・レジェンド・ファウンデーションに相談した結果、紹介されたのが「READY FOR」を通じた支援だったのである。
「こういう状況なので選手はみんなが、それぞれでSNSなどを使って、それこそ室内トレーニングのやり方やプライベートなことまで様々な発信を行ってくれています。
でも、こういう形で個人が寄付をするというのはなかなかやり方がわからなかった部分があったので、その受け皿を作れた意味は大きかったですね。
その中で実際に活動を発表してからも、色んな選手に協力してもらって、コメントもお金も集まっている。そういう実効性の点でも良かったと思っています」(炭谷)
選手会がこの寄付活動を発表すると炭谷会長自身や各球団の選手会長たちはもちろん、すぐさまソフトバンクの柳田悠岐外野手や阪神の糸井嘉男外野手ら選手が個人として名乗りを上げて寄付を行った。
社会的に影響力のある立場だからこそ。
また、そのことが報じられることで「READY FOR」を通じた支援の認知度も広がることにつながってもいる。
その結果、5月7日14時現在で寄付総額は2億8000万円を超える規模へと膨れ上がった。社会的に影響力のあるプロ野球選手という立場だからこそできた社会貢献の1つだったとも言えるだろう。
「今回この寄付で改めて思ったのは、僕たちがやることで賛同してくれる人も多かったし、みんなが見てくれているんだということですよね」
炭谷は言う。
「野球だけではなく様々な競技のアスリートが発信することによって、色々と感じてくれている方は多いということだとも思います。だからこれからもどんな形になるかはわかりませんが、継続してどんどんやっていきたいと思っている」