プロ野球亭日乗BACK NUMBER
プロ野球選手会長・炭谷銀仁朗。
「正解は分からないが、戦っていく」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/05/08 11:50
普段から選手会長としてプロ野球機構との折衝などに奔走している炭谷(右)。コロナ禍にあっても先頭に立って選手たちを引っ張っている。
ファンの存在をいつも以上に感じるきっかけに。
もちろんこうした活動は選手にとってのプラスもあるはずだ。
例えばSNSで日常を発信しアップした動画へのコメントを読むことで、選手の側もファンの存在をいつも以上に感じるきっかけになったり、いまこの状況だからこそ意識できることもある。
そうした社会との繋がりを日常的に強く意識することが、選手の支えにもなっていると炭谷は見ているのだ。
「個人個人で寄付や様々な活動をすることによって、選手はファンの方がいて、お客さんの声援が力になるということを再認識できた。
多くの声をいただいているので、より感じている部分もあるし、個人でやることによって参加意識が強くなっている部分もあります。それが選手個人の意識を高めると同時に、今後の普段の色々な行動にも繋がっていってくれるといいなと思っているんです」
「全員が初めての経験なんです」
出口が見えない中での長期のコンディションの維持。しかも感染しない、感染させないという意識とトレーニングの徹底は背中合わせの難しさだ。
「現段階では開幕の日時も決まっていませんし、まず1日1日をどう過ごすか。これは全員が初めての経験なんです。
選手はとにかくモチベーションの維持に難しいところがあります。だからこそどういう気持ちでやっていくかが大事になっている。
ただここで誰かが感染すれば全てが止まるので、だからこそ一人ひとりの自覚も大事になってくる。それは選手みんなが分かっているので、より一層、気を付けていると思います」