去年と同じチーム力ならBクラスに。

――連覇のために必要だと考えていることはありますか？

「去年の2割はチーム力を増すこと。増さないと勝てないでしょう。去年と同じチーム力でやるなら、Bクラスになってしまう。

　去年、ジャイアンツのレベルが上がったことによって、セントラル・リーグのレベルも上がったのよ（笑）。従ってマークも厳しくなる。去年はウチのチームなんてノーマークですよ。ノーマークだから勝ったんです。

　でも今年はやっぱりマークされる。従って心技体という部分で2割増しできないと難しいと思っています」

――監督の中では去年は手探りだった部分もあったと思います。その点では2年目の今年は、多少なりとも見えてきている部分もあり、自信も出てきていますか？

「自信という言葉ではないかもしれないけど、臆するものはまったく無いね。今年は自分自身がなんとなく不安を持った状態で采配を振るうこともないでしょう。

　去年はやっぱり手探り、あるいは観察という部分はあったでしょうね。現場から離れていた3年間という期間があったからね。それはあった」

阿部慎之助の穴をいかに埋めるか。

――その点ではチームを完全に掌握して、今年は思う形で動かせる下地はできていると言うことになりますね。

「そうですね。ただ、チームの中で昨年にあったけど、今年にないというものがある。それは慎之助の代わりとなる選手なんですよ。去年は彼の力が非常に大きかった」

――代打としてだけではなく、チームが苦しいときには4番打者としても打線を引っ張れる選手でしたからね。

「だからまずそういうゲーム運び、ペナントレースにしないこと。そこが今年のチームの1つのテーマです。

　そこで僕はレギュラーを7人と言っている。もちろん代わりとなる代打の切り札的な人というのは作るんだけど、やっぱり慎之助のあの存在感というのとはちょっと違ってくる。

　だとすればそういう試合運びにならないようにするには、スターティングオーダーの1人ひとりが替わらないようなチームを作ることしかないんです。そういう打線を作ることは、慎之助の穴を埋めることになる」

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