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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人・原辰徳監督インタビュー(下)
岡本和真ら若手と新外国人への本音。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/02/27 20:05
宮崎キャンプで、ブルペンに入り練習を見つめる巨人・阿部二軍監督(左端)と原監督(左から2人目)。
「困ったときには亀ちゃんがいる」
――選手・阿部慎之助に代わる存在としては、ベテランの亀井善行外野手あたりが候補になるのでしょうか……。
「どうだろう。亀ちゃんは僕の中ではそういう代打の切り札的に表に出して戦うよりは、困ったときには亀ちゃんがいるという存在なんですよ。
1番打者にしても5番打者にしても、外野のポジションにしても、ライトであってもレフトでも、必要ならばファーストでも、ね。彼のそういう存在感というのは、チームにとって滅茶苦茶、大きいんです。滅茶苦茶、大きい!
だからこそ、まずは亀ちゃんを抜きにこのチームを考えるということが大事だと思うんです。そうなるか、そうできるかどうか、現実は分からない。
でも、いまこの時点でのチーム作りの思想としては、亀ちゃんの存在を抜きに戦えるチームを作ることが大事だと思う。現実は分からないけどね」
日本シリーズの記憶がなくなった。
――考え方としては亀井選手に頼らないチームを作ることが目標になる。
「そう。でも亀ちゃんの存在があるから、こうやって思い切って考えられる。こういう風に構想もできるというのもあるんです。亀ちゃんには申し訳ないけどね。
しかも今年の亀ちゃんはコンディションがすごくいい。それは凄いよ。そこが一番です。いまは理想論としてそう考えているけど、現実論としては彼もまだまだ柱の選手ではあるとは思いますけどね」
――最後に昨年の日本シリーズのことを伺います。ファンにとっては連覇と共に日本一の奪回が大きな願いでもあります。4連敗したソフトバンクに勝てるチームを作れますか?
「まず言いたいのは、僕の中に日本シリーズの記憶がなくなったということ。ない。本当にない。
ただ、メディアには言っていないですけど、1月のスタッフミーティングでも、2月1日のキャンプをスタートするときの選手ミーティングでも、僕は『我々は惨敗した。そこからのスタートだ』ということは言った。それは現実です。
しかし、僕の中に日本シリーズの記憶っていうのは本当にない」