スポーツ百珍BACK NUMBER
プロ野球キャンプ=ブドウ狩り?
地図会社のファン目線コンテンツ。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph bySports Graphic Number
posted2020/02/15 08:00
『キャンプ地で思いっきり楽しもう! プロ野球キャンプ特集』の2020年版。一覧で見ると、すべての球場に足を運んでみたくなる……。
“キャンプ地図”を作ったのは?
「プロ野球のキャンプって、実際にその周辺に何があるのかって、意外と想像できないかと思います。ですから、そのキャンプ地の情報をお知らせするサイトがあるのは便利かな、というのがスタート地点だったんです」
話してくれたのは、地図情報サービス『ゼンリンデータコム』の女性社員(以下、中の人さん)だ。野球が大好きな中の人さんは2017年から『いつもNAVI』内の『キャンプ地で思いっきり楽しもう! プロ野球キャンプ特集』を作っているのだという。
で、実際に見てみると……ファン視点で、実に細かい。
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例えば広島東洋カープの宮崎・日南キャンプ。最初に一軍と二軍のスケジュールがあるのは当たり前。休養日もひと目でわかる。ページを見ていくと選手ゆかりの店におすすめグルメ(地鶏や謎のカープパンケーキ)、迫力満点のモアイにドライブの定番ルートなど観光スポットと、地域情報誌を見ている気分になる。もちろん食事などのお店は、実際に中の人さんが足を運んで居心地の良さなどもしっかりと取材済みだ。
地図会社の強みを生かしつつ。
そして、選手たちが鍛錬に励む天福球場の週間天気からアクセスまで、めちゃくちゃ詳細なのである。
<天福球場までの公共交通によるアクセス情報>
油津待合所バス停 434m
西町(日南市)バス停 443m
岩崎2丁目バス停 577m
こんな情報、さすがにスポーツ紙でも載ってない……。
「例えばバス停の距離で言えば、200メートルなど具体的な数字があれば“歩けるな”とユーザーの方が判断できます。その他にもタクシーなどのルートと料金がすぐに見られるのは、地図会社ならではの強みかな、と。
そして、もともと持っている情報だけでなく、さらにグルメや観光スポットなどのオリジナル情報を載せれば、さらに付加価値がつくんじゃないかと考えました。そういう意味で、今後も積み重ねていけるコンテンツだなと感じています」
確かに野球に限らずどこかの競技場に向かう時、地図アプリは手放せないなと感じる。徒歩で向かうにしろ、電車やバスを使うにしろ、「何分くらいで着くのかな?」という目星をつけておきたいのは間違いないからだ。中の人さんはそれをキャンプガイドという形でユーザー目線で届けたいと思ったのだという。