プロ野球PRESSBACK NUMBER
西武期待の新サブマリン、與座海人。
牧田和久から継ぎ、高橋礼を追う。
posted2020/02/15 11:30
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Kyodo News
地面すれすれの右手から繰り出されるボールが、勢いよく捕手のミットに収まる。
遠目で見れば、移籍したはずの牧田和久(東北楽天)がライオンズに復活したのかと目を疑うようなフォーム。マウンド上での仕草や、フィニッシュの姿勢まで何もかもそっくりだ。
背番号44のユニホームをまとった與座海人(よざ・かいと)は今、開幕一軍入りをかけて春季キャンプに臨んでいる。
「このフォームにしたのは大学1年の終わりごろですね。高校まではサイドスローで、大学に入ったあと、いろいろ試していたんですけど、アンダーのほうがコントロールがよかったので。当時、フォームの参考にしたのは渡辺俊介さん(元千葉ロッテ)や牧田さん。牧田さんのフォームを参考にして投げたほうが感触がよかったので、そのあとはずっと牧田さんのピッチングのイメージを頭の中に描いてフォームを固めてきました」
岐阜経済大から初のNPB選手に。
與座は2017年、ドラフト5位で指名を受け、岐阜経済大からライオンズに入団した。野球の名門である沖縄尚学高から岐阜経済大に進み、大学時代は東海地区岐阜リーグで通算26勝を挙げた。2年生のときに最高殊勲選手賞、最優秀投手賞を受賞。
4年生のときにはリーグ優勝を果たし、ベストナインにも選ばれた。同大学を初めての全日本大学野球選手権大会出場に導き、初戦では1安打完封を見せる。同大学からのプロ入りは史上初で、入団時から大きな注目を集めた。
しかし入団1年目は肘痛で登板なしに終わる。
オフを迎えた2018年10月に右肘の側副靭帯の再建手術を受けた。2019年は育成選手としてリハビリに励み、9月にイースタンリーグで実戦に復帰。11月、育成から支配下登録に戻った。「ニール、高橋光成、今井達也、本田圭佑、松本航に次ぐ先発の候補」と豊田清投手コーチも期待を寄せている。