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原辰徳インタビュー(1)「鳴かぬなら鳴くまで待たず選手を替える」 

text by

鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2019/09/09 11:00

原辰徳インタビュー(1)「鳴かぬなら鳴くまで待たず選手を替える」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

インタビューは監督室で行われたが、機密事項が多いため、写真はNG。撮影はグラウンドやベンチで行った。

「教え方はとても優しくなりましたね(笑)」

――前回と監督自身が意識して変えたことはありますか?

「選手に対する言葉の使い方、教え方はとても優しくなりましたね(笑)」

――確かに前は、選手がみんな監督のことを怖がっていましたものね!

「そうそうそう(笑)。そういうのしかできなかった。やっぱり野球をうまくさせるっていうのは、その選手たちを幸せにすることだから。

 で、練習で泣いて、試合で喜びを与えることが大事なことで、それは必然的に練習の時に厳しくなる。その方が試合になったら困らないわけだから。それは仕方ないと思いますね」

かつては“愛のムチ”で済んだことが……。

――だから相当、厳しい指導をした。

「ただ、今回に関してはお母さんやお父さんより僕の方が年上でおじいちゃん、みたいな選手が多いんだよね。で、昨今、世の中というのは変わってきていて、僕が現役でユニフォームを着ていた時代だったら“愛のムチ”で済んだことが、今は大変な問題になる。時代というのは変わってきているんだな、と。そういうところで今回を迎えている。

 監督になって巨人というチームを見回した風景というのは変わらなかったけど、自分自身の心境は変わった。第一がそこでしたね。ノビノビと溌剌と選手たちに戦ってくれ、と。そんなことを僕が言うなんて1回目、2回目の監督としてはあり得ない。本当に風景は変わらない、でも心境は変わるというのは、ありましたね」

――実際に指揮を執っての手応えは?

「今年のチームは、自分の中で想像、成功する形が全く見えないでスタートしている。しかも今現在もその心境、目線というのは全く変わらない。ただし目標、使命感、そこには強いものがあります。それは優勝する。勝つんだということです」

【次ページ】 「決して強いチームではなかった」

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