甲子園の風BACK NUMBER
ラップ、演歌、怪人、魔曲……。
夏の甲子園、注目のブラバン応援は?
posted2019/08/06 06:30
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
いよいよ始まる101回目の夏。全国の野球部の頂点を目指す球児たちとともに、アルプススタンドで闘う吹奏楽部による応援にも、年々注目が集まっている。
「音楽の力」で選手を後押しする、バリエーション豊かな応援曲。全国からアルプススタンドに駆けつける各校吹奏楽部による今大会の聴きどころを、吹奏楽部出身者の視点で紹介したいと思う。
この夏は、友情応援に注目したい!
第1日目の注目校は、初出場の誉(愛知)。
吹奏楽部のない同校のために、何と今年の選抜優勝校・東邦と、誉の近くにある小牧工業のマーチングバンド部が、強力な助っ人として友情応援に駆けつける!
選抜では、東邦のマーチングバンド部が海外遠征と重なり応援に来られず、大阪桐蔭吹奏楽部が友情応援を買って出た。
「選抜では大阪桐蔭さんに助けてもらいました。今回も、うちに出来ることがあれば何でもやりたい。誉さんの力になれるよう、やるからには全力で応援します。出し惜しみはいたしません!」と、東邦マーチングバンド部顧問の白谷峰人氏は友情応援への意気込みを語る。
小牧工業は、男だらけのマーチングバンド。黄色いヘルメットと作業着姿で演奏する異色のスタイルで人気急上昇中の注目校だ。
顧問の澤田直樹氏は、「甲子園で演奏出来るなんて、宝くじを当てるどころではない」と恐縮しながらも、「東邦さんとご一緒できるなんて滅多にない機会。我が部は野球応援経験ゼロで、初めての応援が甲子園です。誉さんから依頼があった時は正直驚きましたが、力になれるよう精一杯演奏して、この恩恵はいつかどこかでお返ししたいと思っています」と話す。
応援曲のラインナップは、誉野球部からのリクエストで、東邦の応援曲を中心に試合に挑む。
1回の頭は、東邦の名物応援『戦闘開始』こと、湘南乃風の『SHOW TIME』でスタート。拳を突き上げながら叫ぶ『We are 東邦!』を『We are 誉!』に、『T・O・H・O 東邦!』を『H・O・M・A・R・E 誉!』とコールする。