ぶら野球BACK NUMBER
平成最後も令和初日も東京ドームで。
古さが心地いい、ニッポンの記念碑。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2019/05/07 17:30
1988年から30年以上経っても……この建物の前での興奮は変わらない!
世の中は変われど原辰徳は不変!
遅い昼飯で、30年前に平成プロ野球第1号本塁打を放った男に敬意を表して「原監督のヘルシー和懐石重弁当」(2000円)の蓋を開ける。
ここでコンビニおにぎりが15個買える……なんて突っ込みは野暮だろう。野球場は熱くなってナンボ、冷静になったら負けだ。なかなか強気の値段設定だが、なにせ原辰徳はこの数十年、ほぼずっと巨人の主役を張り続けてきた。昭和のスーパースターは、平成も4番打者と監督で結果を残し、令和も監督して迎えようとしている。こんなプロ野球関係者は他に誰もいない。世の中のあらゆることは大きく変わったけど、タツノリは変わらずそこにいた。
弁当もこだわりの“もち麦”に多彩なオカズ陣が、今オフの巨大補強ぶりをあらわしている(そんなわけない)。落ち着いた上品な大人の味。原監督が球団公式動画で「もち麦は食感も悪くないし、腹持ちもいいし、すごくヘルシー。日本の食が凝縮してる感じがあるね」なんつって絶賛してるだけはあった。
巨人が劣勢……球場グルメに走る。
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席はいつもと同じ、球場全体を見渡せるバックネット裏二階席。
この場所は、坂本勇人のダイナミックな遊撃守備がよく見えるという理由で10年近く購入し続けている。試合は2回に中日が3点を奪い逆転、巨人打線は初回の1点以降は沈黙。劣勢だ。
こうなると試合以外の楽しみで、なるべく多くの球場グルメを食べたくなる。
5回終了後、おやつ代わりに「陽岱鋼のピリ辛!! “陽”風チョリソードッグ」(650円)とペプシをチョイス。うーん……あくまで個人的な感想だが、東京ドームはホットドッグとかハンバーガーのパンが湿気でヘナヘナか、具が若干冷めてることも多い気がする。ドーム内特有の調理環境に原因がある気もするのだが、真相はどうだろうか?