ぶら野球BACK NUMBER
平成最後も令和初日も東京ドームで。
古さが心地いい、ニッポンの記念碑。
posted2019/05/07 17:30
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
“平成を象徴する場所”と言えば、東京ドームだと思う。
昭和最後のプロ野球開幕直前、1988年3月17日に開場した全天候型の野球場は、日本最大のイベント会場としても人気となる。平成に突入して間もない1989年4月24日に新日本プロレスが、日本プロレス界で初めて東京ドームで『格闘衛星☆闘強導夢』を開催。アントニオ猪木と五輪金メダリストの柔道家ショータ・チョチョシビリが異種格闘技戦を行い、事前の不安を吹き飛ばす5万3800人の大観衆を集めた。
1990年2月11日にはプロボクシングの世界ヘビー級王座マイク・タイソンが、挑戦者のジェームス・ダグラスと戦うが、37戦全勝、33KO勝ちの最強王者タイソンがまさかの10回KO負けで沈む。ちなみにこの日、前座でリングに上がったのは当時19歳の辰吉丈一郎だ。
ADVERTISEMENT
時はバブル絶頂の好景気、音楽界でもドーム開場初年度から美空ひばり、マイケル・ジャクソン、ミック・ジャガーといった国内外の大物たちが続々とコンサートを開催する。
もちろん野球場としても、数々の名勝負の舞台となってきた。
でも、その古さが時に心地いい。
NPB各球団本拠地のボールパーク化が進む中、開場から30年以上が経過した東京ドームはいまや球界でもオールドタイプの球場だ。
正直、古い。
でも、その古さが時に心地いい。
歳を取ったとは思わないが、もう若くはないのは確かだ。同年代の友人たちも多くが家庭を持ち、休日は家族サービスで忙しい。でも、時には自分サービスもしないと疲れちまうよ。さあ平成最後の日をどこで迎えようか? 令和最初の日をどこで過ごすか? やっぱり自分にはあの場所しかない。
いつものようにぶらり野球へ行こう。
大型連休真っ只中、巨人vs.中日のデーゲームが開催される東京ドームへ向かった。