「本当の成熟にはもう少し時間が必要」

――より具体的に、日本代表チームに関してはどうですか？

「今の日本はより速くプレーが出来る。ボールをよくキープして失わない。とてもコレクトで、これこそがサッカーだと言えるプレーをしている。

　だが本当の成熟にはもう少し時間が必要だ。

　それに先ほども述べたが……やはり、フィジカルの強い屈強な選手があと数人欲しいところだろう。そうすれば、このチームは完璧になる」

――ベトナム戦とイラン戦でここまでパフォーマンスが違うのもそれが理由でしょうか？

「驚くべきは、アジア最強チーム同士の対戦で高い集中力を発揮したことだ。これだけのことができるのだから、さらに進歩の余地があるとも言える。

　日本は高い強度をずっと途切れることなく試合を通じて維持したのだから」

――決勝の相手はカタールかUAE（翌日の準決勝でカタールに決定）ですが、どうなると見ていますか？

「日本が有利だと思うが、彼らが次にどういう進化を見せてくれるのかをしっかり確認したいと思っている。

　また相手に合わせて戦略を立てるのか？

　それとも自分たちのやり方を貫くのか？

　相手に合わせた戦い方をするにしても、敬意を払い過ぎて消極的になるのか、あるいはコレクトにプレーができるのか……。

　スピーディに判断してパスを繋ぎ、走る。あるいはドリブルする。しかも1人ではなく複数のコンビネーションで。さらにコレクティブに守り、戦うことも厭わない。1対1でも決して怯むことはない。イラン戦ではそれができた。

　ではカタールやUAEが相手ではどうか？

　語るのは簡単だが、実際に実践するのはそう簡単ではないはずだ。現時点での日本の到達地点がどこであるのかが、この決勝戦で本当に明らかになるだろう」

――わかりました。メルシー、イバン。