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錦織圭、珍しいサーブ権選択の根拠。
芝コートの先サービスでは12勝2敗! 

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今田望未

今田望未Nozomi Imada

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posted2018/07/25 17:00

錦織圭、珍しいサーブ権選択の根拠。芝コートの先サービスでは12勝2敗!<Number Web> photograph by Getty Images

錦織圭にとってウィンブルドン最高成績となるベスト8。なかなか結果を残せなかった芝コートでの好感触は今後にもつながるだろう。

1ゲーム目のサーブ権を選ぶ意味。

 1つ目が、ポイント前にボールを1球しか持たず、セカンドサーブを打つ前にボールをもらうというもの。

 2つ目が、試合前のコイントスに勝った場合、1ゲーム目のサーブ権を選ぶというものだ。

 まず1つ目の変更は、セカンドサーブのボールをもらうのが面倒という状況を作り、ファーストサーブにより集中できるようにするためという、天才肌の錦織らしいアイデアだ。

 そして2つ目。錦織はこれまで1ゲーム目からサービスキープのプレッシャーを背負いたくないという理由から、コイントスに勝っても得意のリターンを選択することが多かった。実は錦織のキャリアを振り返ると、初期の頃はサービスから始めることが多く、10試合以上連続でサービスゲームから始まることもあった。

 だがトップ選手になってからはリターン選択の割合が大幅に上昇。通常はコイントスに勝った選手はサーブを選ぶことが多いため、2014年以降、錦織の試合開始1ゲーム目がリターンゲームになる試合の割合はなんと73%にのぼっている。

 もちろんリターン選択は錦織本人の考えがあってこそだが、このスタイルにはある落とし穴がある。

サービス側のキープが続いたら……。

 改めて整理しよう。相手のサービスゲームから始まって、9ゲーム目まですべてサービス側がキープした場合、ゲームカウントは自分から見て4-5になる。すると次のゲーム、自分がサービスを落とせば即セットを落とす。

 一方、先にサーブを打つ選手から見ると、例えば5-5の11ゲーム目でサービスを落としても、わずかだがその後にブレークバックできる可能性があり、即セット終了とはならない。

 テニスはサーブやコートなどを交互に変えていき、一見するとすべての面で平等なように見えるが、上の例で示すように、メンタル的には先にサーブを打つ方がわずかに有利な部分がある。

 そしてこのわずかな差を見逃してくれないのがBIG4だ。

【次ページ】 ナダル、ジョコの驚異的な粘り腰。

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