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錦織圭、珍しいサーブ権選択の根拠。
芝コートの先サービスでは12勝2敗!
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byGetty Images
posted2018/07/25 17:00
錦織圭にとってウィンブルドン最高成績となるベスト8。なかなか結果を残せなかった芝コートでの好感触は今後にもつながるだろう。
ナダル、ジョコの驚異的な粘り腰。
2016年バルセロナ大会決勝では、ラファエル・ナダル(スペイン)がこの「サーブを落とせば即セット終了」という場面で錦織から2セット連続でブレークに成功し試合を決めた。今年のマドリードマスターズでも、ジョコビッチが同じ場面で2セット連続ブレークに成功している。
では、サーブ権を取るか否かというわずかな違いが、試合結果に影響を与えるのだろうか。結論から言うと、無視できない差があると言えそうだ。
2014年以降、錦織がリターンゲームから試合を始めた場合の勝率は71.2%である。そして、サービスゲームから試合を始めた場合の勝率は78.2%。これだけでなんと7%も勝率に差がついている。
特に1つのブレークが命取りとなる芝コートではさらに顕著で、サービスゲームから試合を始めた場合なんと12勝2敗(うち1敗は途中棄権負け)という極めて高い勝率を誇っている。
今年の芝シーズンでの錦織のサーブ選択は、あくまで一時的なものかもしれない。しかし筆者としては、これからもコイントスに勝ったらサーブを選択することを期待したい。特にBIG4相手に臆せずサービスゲームから始めるようになれば、足りなかった何かをつかみ取れるチャンスが待っているのかもしれない。