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錦織圭、珍しいサーブ権選択の根拠。
芝コートの先サービスでは12勝2敗!
posted2018/07/25 17:00
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph by
Getty Images
最近の錦織圭にはポジティブな“変更点”がたくさん見られる。
28歳を迎え、これまでの一般的なテニス選手であれば全盛期にあるかピークを過ぎてもおかしくない年齢となった。長いキャリアで培ってきたスケジューリングやルーティーンをいまさら変えることはリスクの高い選択だろう。
しかし、マスターズ、さらにはグランドスラムであと一歩が届かない現状を鑑みると、なにかしらの変更が、最後のピースとなる可能性がある。
変化が実ったウィンブルドン。
先日、12月のオフシーズンに錦織がハワイでのエキシビションに参加することが発表された。これまでの彼は12月にマイケル・チャンコーチの指導の下でトレーニングを積み、翌シーズンへの準備を整えることがほとんどだった。
2013年の年末にコーチに就任し、このオフシーズンには基礎基本を徹底的に仕込むトレーニングを講じた。これが2014年に「トップ10の壁」を破る大きなきっかけとなったことを考えると、ハワイの件はかなり大きな変化と言えそうだ。
2020年に1月のATPツアースケジュールが大幅に変更になる可能性があり、それを先回りした形だが、2019年の全豪オープンでどのような成果が見えるか今から楽しみだ。
そして早速、錦織の変化は先日行われたウィンブルドンで好結果をもたらした。ここで自身初となるベスト8。試合内容も、18歳でウィンブルドンベスト8経験のあるバーナード・トミック(オーストラリア)、かつてウィンブルドンでナダルを破ったニック・キリオス(オーストラリア)という厳しい相手に連勝した。復活優勝を遂げたノバク・ジョコビッチ(セルビア)にも途中まで五分の戦いを演じるという素晴らしいものだった。
このウィンブルドンで錦織は2つのルーティーンを変えていたのだ。