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「日本代表とオールブラックスの文化を融合させて新たな価値を創造したい…」ラグビー協賛25年目を迎えた大正製薬が思い描く未来
posted2025/06/19 11:00

昨年10月26日に横浜・日産スタジアムで開催された「リポビタンDチャレンジカップ2024」日本代表vs.ニュージーランド代表(オールブラックス)
text by

生島淳Jun Ikushima
photograph by
Kiichi Matsumoto
2015年9月19日。日本ラグビーの歴史が変わった日だ。そう、日本が南アフリカを英国のブライトンで破った日である。あれからもう10年が経った。
「優勝候補だった南アフリカ相手の大逆転勝利は、日本代表の実力と精神力を、世界に示す大きな転機だったと思います」
そう語るのは、2001年からラグビー日本代表のオフィシャルスポンサーを務めてきた、大正製薬の上原茂社長である。
「25年間にわたる協賛を通じて、私たちはラグビー日本代表の成長と共に歩んでこられたことを誇りに思います。この25年間で、私たちは選手たちが安心してパフォーマンスを発揮できる環境の整備をお手伝いできただけでなく、ラグビーというスポーツの普及と、ファン層の拡大にも貢献できたと自負しています」
結果がともなわず厳しい時代もたしかにあった。それでも、男子の15人制代表だけでなく、7人制、さらには女子日本代表(15人制、7人制)の支援をずっと続けてきた。そして大正製薬がオフィシャルスポンサーを務めた2019年のラグビーワールドカップ日本大会では、日本代表がアイルランド、スコットランドなどを破り、初のベスト8に進出。国内で大きな社会的インパクトを与えた。上原社長も2019年大会のことが印象に残っているという。
「私の記憶に残っているのは、初戦のロシア戦です。この試合は開幕戦であり、ホームでの初戦。選手たちが素晴らしいパフォーマンスを発揮して勝利を収めた瞬間は感動的でしたし、日本中のラグビーに対する雰囲気が変わったことを覚えています」
また、大正製薬は2022年からニュージーランド協会のプレミアムグローバルパートナーとなり、両国のラグビーを通じた交流を深めている。2022年、2024年には日本で行なわれたリポビタンDチャレンジカップで、両国の対戦が見られた。上原社長はオールブラックスの選手たちとの交流を通し、ラグビーの持つ価値を再確認したと話す。
「ニュージーランド協会とのパートナーシップを通して、文化や価値観に触れることができました。特に、ラグビーに対する情熱やコミュニティの結束力、そして選手たちのプロフェッショナリズムには感銘を受けました。オールブラックスの選手たちは謙虚でありながら、強いリーダーシップを持っている。彼らは常に自己研鑽を怠らず、チームメイトやファンに対して敬意を示していて、こうした価値観は自己成長や企業文化の醸成にもつながると思います」
国境を越えてラグビーの価値が受け継がれていく
今ではニュージーランドから多くの選手たちが来日し、国内のリーグでプレーしている。今季、トヨタヴェルブリッツでプレーしたアーロン・スミスは、謙虚、敬意といったラグビーの価値をこう語る。
「ラグビーは人生のレッスン、そのものでしょう。私の場合は、少年から大人へと成長する橋渡しをしてもらいました。ハードワークの価値、苦しい時にどうやって向き合うか、そうしたことをすべてラグビーから学びました。自分が大好きなラグビーが仕事にできて幸せですし、ラグビーで成功できたのは、周りのメンバー、スタッフに恵まれたことを忘れないのが大切です」
また、オールブラックスの主将を務め、今季は東京サントリーサンゴリアスでプレーしたサム・ケインは、こう話す。
「ラグビーでは、チームより大切な個人は存在しません。全員がチームのためにプレーします。ラグビーには苦しいこと、つらいことも多いですよ。それでも、倒れても立ち上がる力、レジリエンスを学べたのはラグビーのおかげです」
チーム内では、ケインのラグビーに対する姿勢を手本とする若手も多い。
「私の場合は、常に自分らしくありたいと思ってプレーしてきました。そう言ってもらえるのは、その結果だと思います。私が先輩たちから伝えられた価値を、いまは日本の若手選手たちに伝えたい。そしてまた、彼らがラグビーの価値を次の世代に伝えていって欲しいと思いますね」(ケイン)
そうして、国境を越えてラグビーの価値が受け継がれていくが、日本とニュージーランド両国だけでなく、南アフリカ、オーストラリアなど、様々な国の選手たちが日本国内でプレーすることで、ラグビーの多様性が生まれているとスミスは話す。
「日本はとてもユニークなリーグだと思う。ニュージーランドの国内では目指すラグビーの方向性は一緒。別の見方をすれば統一感があり、オールブラックスでプレーする時にはお互いに理解しやすい。ところが、日本には様々なスタイルがある。ニュージーランドスタイルの相手と戦ったかと思うと、翌週はスクラムにこだわりを持つチームと対戦し、その翌週には南アフリカ的な力強いスタイルのチームと戦わなければならない。つまり対応力が求められる。その意味で、リーグ全体としてバラエティに富んでいて、ファンにとっては面白いと思う」
ケインは最前線で身体を張り、タフな試合を経験してきた。
「力が拮抗していて、接戦になる試合が多かったですね。簡単に勝てる試合はなく、チームとしては苦しみながらも、それでもそのチャレンジを楽しめたシーズンでした」
こうした多様性が見られるのは、日本のラグビー界が国際交流を進めてきた結果である。大正製薬は日本代表、ニュージーランド協会とのパートナーシップだけでなく、日本国内での普及にも力を入れてきた。上原社長はこうした草の根活動についてこう話す。
「長年、ラグビー教室を開くことで、いろいろな地域で多くの若者にラグビーを体験してもらう機会を提供できました。教室ではオールブラックスの選手たちにも協力いただき、ラグビーが子供たちにとって、夢を追いかけられるスポーツであることを理解してもらえたのではないでしょうか」
5月1日には、スミスが名古屋市にある千種高校を訪ね、教室で、そしてグラウンドで高校生たちとラグビーを楽しんだ。
「生徒全員の学ぼうとする姿勢が素晴らしかった。ラグビーに対する熱意があり、特に上級生が下級生をリードする姿が印象的だった。スキルレベルもとても高い。今後、努力を継続し、成長していって欲しいです」
ケインもクリニックの価値をこう話す。
「スキルや知識だけでなく、とにかくラグビーに夢中になって欲しいと思っています。ラグビーを通してたくさんの人とつながれるのも、このスポーツの魅力ですから」
こうした活動は、未来への種まきである。「次世代の選手たちが育つ土壌を築くことが大切です」と上原社長は話すが、その夢は大きく膨らんでいる。
「日本のラグビーシーンがさらに成長することを願ってやみませんし、これから世界のトップレベルで活躍できる選手やチームが増えることを期待しています。そしてトップレベルだけでなく、日本国内でラグビーがより多くの人々に愛されるスポーツになって、地域社会や学校教育の中でも重要な役割を果たして欲しいですね」
そう話すのは、「ラグビーの力」を信じているからだ。
「フェアプレー精神、チームワークの大切さ、多様性。そしてケイン、スミス両選手に見られるような謙虚な姿勢とリーダーシップ。私が感じているラグビーの価値は、単なるスポーツの枠を超えた人間形成の場であるということです。こうした価値観は、選手たちの人生に大きな影響を与えるだけでなく、社会全体にも良い影響をもたらすと信じています」
上原社長は、大正製薬が日本とニュージーランドの架け橋となり、新しい世代に活躍、成長の場を提供したいと考えている。
「日本とニュージーランド、両国のラグビー文化を融合させ、新たな価値を創造していく一助になりたいですね」
日本代表の胸には桜が咲き、ニュージーランド代表の胸には鮮やかなシルバーファーンが根を張る。これからも、ラグビーの文化が根を張り、花を咲かせていく。
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