フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ネイマールの異常すぎる取材状況。
仏雑誌が載せた辛辣な“メイキング”。
posted2017/05/25 11:00
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph by
Alain Mounic Patrick Gaillardin/L’Equipe
『フランス・フットボール』誌5月16日発売号に掲載されたネイマールインタビューはかなり異様である。
巻頭(メイン特集)に6ページもとりながら全体にスカスカで、埋めきれないスペースはサッカークイズでお茶を濁している。そして、記事の末尾に掲載された「メイキング・オブ」欄が異様さに拍車をかける。どういう状況で取材がおこなわれたかを示すこの欄で、取材者が取材対象をあれほど低く評価することはあまりない。
加えてインタビュー時間の短さ。
ネイマールと『フランス・フットボール』誌(フローラン・トルシュ記者)の間にいったい何があったのか。
フランスのメディアは、総じてトラブルをごまかさないし隠さない。起こったことそれ自体を事実として隠さず報道する傾向が強い。私(田村)もかつて『レキップ』誌に、途中で打ち切られた取材の様子をそのまま伝えて掲載したことがある。だが、このインタビューはそれ以上である。
何が起こったのかは、これから編集部の友人たちに確認する。今はただ、インタビューの内容と雰囲気を、読者の皆さんには味わってほしい。
監修:田村修一
PSG戦の劇的なプレーで伝説を作ったネイマール。
ネイマールがサントスからバルセロナに移籍してきたのは今から4年前だった。以来、レオ・メッシの陰に隠れがちだった彼も、今季は間違いなく最高のシーズンを送っている。ただ、その歩みは依然として緩やかで、約束された階段を着実にあがっているのだった。
――フランスでは対パリ・サンジェルマン(以下PSG)戦の前と後であなたの印象が大きく違います。6-1の大逆転劇の後は、それまではあまり感じられなかったリーダーのイメージが強く印象づけられました。
「自分がどういう性格かはよくわかっている。常に勝利を求め、どんな試合だろうと負けるのは大嫌いだ。PSGとの第2戦は特別な試合だった。敗退はほぼ決定的だったのに、奇跡的に7分間に3ゴールを決めて勝ち上がった。素晴らしい夜だったよ。僕のサッカー人生の中でも最高の出来事のひとつだ。一生忘れないね」