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パルマの債務が8年で200億円急増。
映画顔負けの“国際超巨大詐欺”か。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/03/05 10:30

パルマの債務が8年で200億円急増。映画顔負けの“国際超巨大詐欺”か。<Number Web> photograph by AFLO

パルマ市長との会談を終え、メディアに囲まれるマネンティ。彼は果たして何者なのか、そしてその後ろにいる黒幕とは。

選手はストライキを宣言し、協会とも対立が。

 主将ルカレッリはMFガッロッパらとともに、すでにパルマ地検へ数度出向き、クラブ倒産の場合の対処について話し合いを重ねた。

 アウェーゲームのジェノア戦前には「プレーする意思はある。施しはいらない。俺たちは自腹で行く」と威勢の良かった主将だが、一向に進展しない事態に、じりじりと焦燥感を募らせ始めた。

 選手の本音は、“誰でもいいから早く給料を払ってくれ”に尽きる。トンマージ会長以下選手協会がサポートに当たっているが、ついに法的拘束力を持つ催促状をクラブへ発送する者が出始めた。

 焦る選手たちは「次回のリーグ会議が開催される3月6日までプレーしない」と、ジェノア戦でのストライキを宣言した。実際には、彼らの要求に協会が屈した形で試合は延期になったが、ストという最終手段を行使しようとしたパルマの選手たちに対して、タヴェッキオ会長が抱く心象は確実に悪くなった。

 パルマの選手たちと監督ドナドーニは、「これは一クラブであるパルマFCだけの問題ではなく、イタリアサッカー界全体の問題だ」と考えており、当事者感覚のない周囲とは相当の意識のズレがある。

 ウディネーゼ戦が中止になった日、ルカレッリは「俺に電話をかけてきたのは、(ローマGK)デサンクティスたった一人だけだった。つまり、イタリア中が俺たちに皆、無関心ということだ」と発言したが、これはさすがに愚痴の類だろう。

 責任のありかは明らかにすべきだが、そこを無闇に拡大させては問題の本質を見誤ってしまう。

更生手続きが適用されれば可能性は2つ。

 地裁による会社更生手続きが適用されれば、パルマFCに許される選択肢は、大まかに言って2つだ。

 1つ目は、現経営陣が総辞職し、管財人の下で最終節まで戦い、シーズン終了後にクラブの経営権を競売にかけ、セリエBから再出発する。

 2つ目は、アマチュアリーグで文字通りゼロからやり直す方法だ。

 もはやセリエBへの降格は不可避と観念した上での最善策は前者だが、条件は厳しい。そもそも競売に名乗り出る人間が誰もいなければ、4部に相当するセリエDへの転落は避けられない。

 現状で8~900万ユーロ相当と見積もられている最終節までのチーム運営コストにしても、最終的には次のオーナーの負債になるが、当座の資金を誰が捻り出すのかという問題が残る。

【次ページ】 リーグ機構は支援を表明したが、他クラブは猛反発。

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