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パルマの債務が8年で200億円急増。
映画顔負けの“国際超巨大詐欺”か。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/03/05 10:30

パルマの債務が8年で200億円急増。映画顔負けの“国際超巨大詐欺”か。<Number Web> photograph by AFLO

パルマ市長との会談を終え、メディアに囲まれるマネンティ。彼は果たして何者なのか、そしてその後ろにいる黒幕とは。

幽霊会社を通じた大量の資金流出が?

 クラブの負債額は、2010年以降の4季だけで倍に膨らんだ。

 ギラルディは、自身が会長の座にあった間に、あったはずの大金が消え失せ、クラブへ多額の負債を残したというのに、「全部(経営権を譲った)タチのせいだ。もう私は関係ない」と今、嘯いている。

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のインタビューによれば、石油王タチからはクラブの経営権譲渡の代わりに1000万ユーロを受け取るはずだったという。両者合意の真偽はわからない。だが、本当にそれだけだったのか? という疑問は消えない。

 昨年12月の経営権譲渡の時点で、パルマFCはセリエBへ片足を突っ込んでいたも同然だった。2部落ち濃厚なクラブの買収に、外国人オーナーがあえて大金を支払うメリットがあるとは考えにくい。さらに、タチが現会長マネンティへ経営権を転売したときの売値は、わずか1ユーロだったという。不可解なことばかりだ。

 パルマからノヴァ・ゴリツァへ、ノヴァ・ゴリツァからアルバニアへ。浮かんでくるのは、辺境にある小さなクラブと幽霊会社を通じた大量の資金流出があったのではないか、という疑惑だ。

 パルマ地方検察は、脱税容疑での刑事告訴を視野に入れ、ギラルディとマネンティの周辺を捜査し始めた。

選手の怒りはサッカー協会にも及び……。

 マネンティ会長との面談を終えたピッツァロッティ市長がまた政務に戻る頃、ローマに緊急招集されたサッカー協会の会議上、タヴェッキオ会長は、パルマ問題の再発防止のために、セリエAのクラブへ新たに経営参加しようとするオーナー候補者の経済能力や信用調査を義務付けるガイドライン作成に動くことを決めた。そして、前節に続き、3月1日に予定されていた25節ジェノア対パルマの一戦も、代替日時未定のまま延期する判断を下した。

 パルマFCの主将ルカレッリや選手たちの怒りは、あらゆる方向に向かい始めている。

 給料を払わない元・現会長はもちろん、乏しい統率力しか持たないサッカー協会も彼らが敵視する対象だ。彼らに言わせれば、前経営陣の乱脈経営を見過ごした協会にも責任は大あり、なのだ。

【次ページ】 選手はストライキを宣言し、協会とも対立が。

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