中田「俺が打線を引っ張っていくんだ」

　初戦は殊勲打こそ出なかったが、4打数2安打、1四球、2得点。自身も「繋ぐことを意識している」と言っているように、チーム打撃に終始した。そして、第3戦では値千金の勝ち越しアーチ。時に繋ぎ、時に一発で流れを変える――。中田は4番を担うことについて、こう自信を覗かせていたものだ。

「最初のうちはね、『4番目のバッター』って感覚でしたけど、栗山監督がずっと4番で使ってくれることで意識も変わってきたというか。『俺が打線を引っ張っていくんだ』という自覚は生まれてきましたよね」

　100打点でタイトルを獲得し、指揮官が「本物」と認めるように、臨機応変の打撃を身につけた中田には4番としての風格が確実に備わりつつある。

　代役の4番だったT-岡田と、不動の4番となった中田。ファーストステージの勝敗を分けたのは、主砲の「格」だった。

日本ハムが得た、ふたつの収穫。

　3試合とも接戦になったとはいえ、ファーストステージにおける日本ハムの戦いは悪くなかった。

　第一の収穫を挙げれば投手陣の安定だ。

　大谷翔平、上沢直之、メンドーサの先発は全員が3失点以内。中継ぎ陣も、クロッタが3試合で完璧なリリーフを披露し、鍵谷陽平も2試合で2回1/3を無失点とリリーフの目処が立った。そして、左すねを負傷し連投が厳しい宮西尚生も、ファーストステージ第3戦の8回に好リリーフを見せるなど2試合を無失点に封じ、抑えの増井浩俊も2セーブと役割を果たした。この磐石の投手陣は、ファイナルステージにおいても十分に信頼が置けるだろう。

　日本ハムにとってもうひとつ収穫があったとすれば、それは打線だ。

　陽のバットから快音が消えるなど、いささか不安を残したのは事実だが、その分奮闘したのが6番を起点とした下位打線だ。

　小谷野栄一、近藤健介、ミランダ、大引啓次、大野奨太、市川友也。そして、代打として2打数2安打2打点と期待に応えた稲葉篤紀が控える下位打線は、ファーストステージ3試合で44打数18安打、4割9厘とハイアベレージを残した。さらに、チーム合計12点のうち半分以上の7点を叩き出したのだ。

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