サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ザックジャパンはこの23人だ!
福西崇史が発表直前完全予想。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/05/09 10:30
福西崇史がブラジルW杯日本代表23人のラストピースとして予想した豊田陽平。5月12日、その名前をザッケローニは読み上げるだろうか。
チームのスタイルにスッと溶け込める選手は?
――確かに、ここからが難しいですね。
福西 そうなんだよ。各ポジションにそれぞれ控え選手を入れたいと考えるのが普通だよね。でも、23人のうちGKが3人であることを考えると、フィールドプレーヤー10人のレギュラーに対して、ちょうど10人しか入れられない。
――だから、なるべく複数のポジションをこなせる選手がいいですよね。
福西 そう。しかも、ただこなせるというだけじゃなく、このチームのスタイルに合わせた上でそれができることが重要。特に途中出場やアクシデントによる代役として起用されると考えれば、チームのスタイルにスッと溶け込める選手がいい。慌ててチームのスタイルを叩き込んで、ぶっつけ本番でピッチに立たせるのはリスクが大きすぎる。
――そう考えると、問題はサイドバックですよね。長友はどちらのサイドでも機能する。だから控えにもどちらのサイドもこなせる選手を入れておけば、控えの枠を一つ減らせるということになる気がします。
福西 そうだね。4月の合宿に呼んだメンバーを見ると、ザッケローニもその可能性を模索していたと思う。おそらく3バックへの対応を想定しつつ、“サイドもできるセンターバック”を何人も呼んだよね。
――鈴木、塩谷、槙野、森脇あたりですよね。合宿には呼ばれませんでしたが、同じ役割でずっとメンバー入りしてきた伊野波を含めると、確かに土壇場になってかなりの人数を試しています。
福西 ただ、これまでの起用法を振り返ると、ザッケローニは酒井宏も酒井高もメンバーに加えるんじゃないかと思う。内田のケガのことを考えればなおさら、ここは2人入れておく可能性が高い。
センターバックの控えをどうするか。
――なるほど。18人目と19人目。となると、センターバックの控えをどうするか。今野と吉田のレギュラー組に対して、控えは森重のみ。吉田のケガを考えると、ここももう一枚ほしい気がします。
福西 そう。酒井宏と酒井高を入れるなら、単純にセンターバックとしての能力を評価すればいい。そう考えるとなおさら、チームのスタイルを知っていて信頼できる選手がいいよね。そういう意味で最も“計算できる”のが、伊野波。
――そうなんですよね。センターバックというポジションの性質、僕はここがチームのスタイルに最も影響するポジションの一つだと考えていて、そういう意味では、長くこのチームに関わっている選手のほうがいい。
福西 そうだね。
――2006年のドイツ大会では、直前の合宿で田中誠がケガをして離脱。初戦のオーストラリア戦では、緊急招集されてコンディションの整っていない茂庭照幸が、坪井慶介のケガによって途中出場することになりました。正直、アクシデントに対応できるチーム構成ではなかった気がします。
福西 分かるよ。サイド兼センターバックの候補選手を見ると、伊野波以外はほとんどこのチームでの経験を積んでいないことが分かるよね。だからこそ、普通に考えて最も“計算できる”のは伊野波だと思う。