詳説日本野球研究BACK NUMBER
若手の台頭が目立つ今季のプロ野球。
もう1つのオールスターで原石を発見!
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/07/26 10:31
7月18日のフレッシュオールスター、6回表全イ2死二塁で右越えに先制2ランを放った加藤翔平(ロッテ)。試合後には、パ・リーグ後半戦でのさらなる飛躍を誓った。
手薄の巨人中継ぎ左腕は一軍招聘の大チャンス。
西川は試合前の打撃練習から、育成選手の打球とは思えない鋭い打球を連発していた。3ケタ「117」の背番号は育成選手であることの目印。テーマが見えない打撃練習を繰り返す若手が多い中、育成選手がコンパクトなスイングで鋭いゴロ打球を連発しているのだ。オリックスの外野陣はフレッシュ球宴には参加していないが駿太、川端崇義、武田健吾、深江真登など若手の有望株が目白押しである。しかし、テーマを持って打撃練習に取り組む西川には、その中に割って入るだけの力がある。
公文は昨年の都市対抗でパナソニックの補強選手として出場、先発した準々決勝のJX‐ENEOS戦ではストレートが最速146キロを計測して話題になった。このフレッシュ球宴でも最速146キロを計測し、その威力は相変わらず。現在、巨人の中継ぎ左腕で一軍に入っているのは山口鉄也と青木高広の2人だけで、康成・京介の高木コンビは二軍で調整中である。フレッシュ球宴での無安打・無失点の好投は一軍招聘の絶好のアピールになったはずだ。
世代交代に成功したチームが上位に君臨する。
オールスターゲーム、フレッシュ球宴における若手の台頭を見て思うのは、プロ野球界が現在、新旧交代期の真っ只中にいるということだ。巨大戦力と言われる巨人でも新旧交代と無縁ではなく、今年は二塁のポジションをめぐってオールスターゲーム出場の寺内崇幸を筆頭に6年目23歳の中井大介、5年目23歳の立岡宗一郎の三すくみで激しいバトルが演じられている。
いずれにせよ、新旧交代期から目をそむけず、ファームとの連係で若手の育成・抜擢ができた球団が強豪球団として上位に君臨していることは確か。その方法論が試されているとは言えないだろうか。